2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K01076
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
辻本 諭 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (50706934)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 軍事啓蒙 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究プロジェクトの2年目にあたる。提出した研究計画に沿って、長い18世紀のイギリスにおける軍事啓蒙を形成した要素のうち、宗教の側面について研究を行った。 この時期のイギリス陸軍には、軍に帯同する、あるいは各地で布教・説教をする中で軍と接触する聖職者が多数存在していた。こうして継続的に維持された陸軍将兵と聖職者との関わり、また軍隊の中での宗教の役割について、先行研究、一次史料をもとに考察した。史料としては、従軍牧師をはじめとする、軍と関わりを持った聖職者の著作を、主にECCOから収集し分析を行った。また、18世紀半ば以降イギリス陸軍に大きな影響を与えたとされるメソディスト派聖職者の活動、彼らと軍との間の関係を調べるため、陸軍に関する各種公文書(War Office Papers、とくにWO27: Inspection Returns)とともに、ジョン・ウェズレイの日記・著作(Nehemiah Curnock, ed., The journal of John Wesley, 8 vols., London, 1938; Thomas Jackson, ed., The works of John Wesley, 14 vols., London, 1831)の調査を行った。 以上の成果の一部は、辻本諭「十九世紀初頭におけるイギリス陸軍軍人の軍隊経験とキャリア形成―特進将校ジョン・シップ(一七八五~一八三四年)を事例として」『軍事史学』56巻2号、2020年9月、49~68頁において発表した。 一方、初年度から延期していたイギリスでの史料調査については、今年度も引き続き新型コロナ感染症の影響で海外渡航が不可能であったため、実施することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の影響により、初年度から延期していたイギリスでの史料調査を今年度も行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の影響がいつまで続くのか予測がつかないため、初年度から延期している史料調査をいつ行うことができるか見通せない状況である。次年度に可能になり次第実施するつもりであるが、当初の計画では次年度分の史料調査を別に予定しており、また調査の後には史料整理・分析に相当の時間が必要であることを考えると、同一年度に二度史料調査を実施することには困難が予想される。そのため、調整を行った上で実施が難しい場合には、最終年度(次年度)末に一年間の研究延長申請をすることも考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症が継続しているため、初年度に予定していたイギリスでの史料調査を今年度も実施することができず、次年度以降に繰り越さざるを得なかったために、次年度使用額が生じることとなった。 次年度に繰り越した分の助成金については、次年度(ないしそれ以降)に国内外の移動が自由になり次第、次年度に予定している二度目の史料調査と合わせて旅費として使用する。
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