2021 Fiscal Year Research-status Report
18世紀フランスの農村工業化における社会秩序変容―ラングドック地方を事例に―
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19K01082
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
仲松 優子 北海学園大学, 人文学部, 教授 (80572940)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フランス史 / 18世紀 / 農村社会 / 農村工業化 / プロト工業化 / 社会変容 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、18世紀フランスの農村の工業化において、これがもたらした社会秩序の変容を、南フランスのラングドック地方の事例から分析するものである。この時期の農村の工業化は、「産業革命」に先行する現象として、広くヨーロッパ地域で指摘されている。本研究では、フランスの国立文書館および県文書館等に所蔵されている一次史料の調査および収集と分析によって、フランス北部地域と並んでフランス国内で最も農村工業が広がったラングドック地方に焦点をあて、18世紀の農村工業化がもたらした影響を社会のさまざまなレベルにおいて多角的に問うことを研究課題とする。 補助事業の3年目にあたる本年度も、フランスでの史料・文献の調査や収集を進める予定であった。しかし、補助事業の2年目と同じく、世界的なコロナウィルスの感染拡大のなかで、フランスへの渡航ができず、現地での調査を実施することができなかった。本年度は、補助事業の1年目に収集した史料・文献を整理して分析し、また2年目で行った研究史の整理と検討によってえられた方法論的課題をもとに、ラングドック地方を具体的な事例とした農村工業化と社会変容の問題について、おもにジェンダーの視点から研究を行った。そしてこれをもとに研究発表をおこなった。研究の途中報告を行うことによって、これまでの史料および文献調査の課題を整理することができ、今後のフランスにおける調査の準備を行うことができたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、フランス国立文書館およびラングドック地方の県文書館に所蔵されている一次史料の調査を、複数年度にわたって計画的に行う必要がある。しかし、本年度も、昨年度と同様に世界的なコロナウィルス感染拡大のなか、フランスでの現地調査を実施することができなかった。補助事業の1年目にすでに入手していた史料や文献の分析を進めることはできたが、追加の史料や文献の調査が必要であり、これが当初の計画通りには実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は順調に研究がすすめられたが、2020年度および2021年度については大きく遅れた状況にある。2022年度については、フランスでの史料や文献の調査を精力的にすすめ、研究の推進をはかっていく。
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Causes of Carryover |
本年度も昨年度と同様に、世界的なコロナウィルス感染拡大のなかで、フランスでの現地調査を行うことができなかったため、旅費の支出は計画通りにいかず、次年度使用額が生じた。 発生した次年度使用額については、次年度の研究計画にくわえて、史料や文献の入手のための経費や、研究発表のための経費として使用することを予定している。
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Research Products
(1 results)