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2021 Fiscal Year Research-status Report

石造物からみた中世寺院の求心性と情報発信力に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 19K01107
Research InstitutionThe University of Shiga Prefecture

Principal Investigator

佐藤 亜聖  滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (40321947)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 先山 徹  兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 客員教授 (20244692)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords高野山 / 町石 / 石造物 / 岩石学 / 金石文 / 考古学
Outline of Annual Research Achievements

令和3年度は研究最終年度となり、高野山町石実測調査を中心に研究計画を策定したが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、当初予定していたのべ15日間の調査の内、のべ6日間しか調査が行えず、調査完了のめどが立たなかったため、次年度への繰り越しを申請した。
令和3年度は高野山町石について71~114町石までの実測調査、136町石までの調書作成を行い、併せて石材産地候補地である奈良県南部の採石場調査を行った。また、年度末には協力者を含めた全体会議を行い、研究の進捗状況及び調査で得られた新視点の確認を行った。さらに昨年度までの調査成果について、実測図の浄書、データ入力を行い、報告書作成に向けた基礎作業を行った。
実測調査の結果、昨年度奥之院町石の分析において指摘していた高野山町石製作における複数石工集団の参与、という可能性については、少なくとも3集団の関与が想定できることを確認した。さらに基準尺についても2種類の基準尺の存在が想定できそうであり、この点については次年度以降の統計的処理を経て決定したい。
石材分析については一部を除きほぼ完了している。町石の石材については、ごく少数を除きほぼ花崗岩に限られるが、その鉱物組成は多様で、町石の石材供給元については広域にまたがっている可能性が考えられる。これら石材の構成と町石の形態、配置との相関関係を明らかにすることで高野山町石の生産体制についての検討が可能になるという見通しを持っているが、その検証については次年度以降の調査・研究に持ち越したい。
なお、当初計画では令和3年度に石材産地周辺の鎌倉時代石造物に関する調査を計画していたが、これについても踏査が十分行えず、次年度に繰り越すこととなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和3年度は本来、研究最終年度であり、高野山町石の実測調査および各地の関連資料調査、資料整理、報告書作成を予定していた。しかし新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、当初予定していたのべ15日間の調査の内、のべ6日間しか調査が行えず、当初予定では令和3年度のうちに町石の実測調査を完成させる予定だったものが完成できなかった。また高野山から技術移転が行われたのではないかと推定される各地の石造物の踏査、実測調査についても同じ理由から実施できなかった。
これら基礎調査の遅延により、令和3年度末に刊行する予定だった調査報告書についても刊行を見送ることとなった。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウイルス感染症の動向と、政府の対策指針に注目しつつ、令和4年度10月までに実測調査をはじめとした基礎調査を完了させ、調査データの整理、分析を行い、報告書作成を行う。また、コロナのために見送った周辺調査については、高野山町石に先行する日本最古の五輪塔形町石である勝尾寺石造町石の実測調査を予定している。
さらに年度末には一般市民向け報告会、専門家によるシンポジウムも検討している。これについても社会動向を注視しつつ、進めていきたい。

Causes of Carryover

新型コロナウィルス感染拡大のため今年度延べ15日予定していた調査が6日しか実行できず、最終年度に予定していた鎌倉期石造物の類例調査がすべて中止となったことにより旅費が繰り越しとなった。また年度末刊行予定だった報告書についてもその費用をすべて次年度繰り越しとしたため、次年度繰り越し金額が大きくなった。
令和4年度は10月までにのべ7日間の高野山町石実測調査を行い、併せて大阪府箕面市勝尾寺町石の調査を行う。さらに、10月までに畿内3カ所程度の鎌倉期石造物の調査を行い、年度末には報告書を刊行する予定である。
なお、報告書作成に伴い、資料整理のためアルバイト雇用、物品購入を行う予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] The Background of Stone Pagoda Construction in Ancient Japan2021

    • Author(s)
      sato asei
    • Journal Title

      religions

      Volume: 2021 Pages: 1-14

    • DOI

      10.3390/rel12111001

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 帯磁率による石材同定法の確立と石材カルテの作成2022

    • Author(s)
      先山徹
    • Organizer
      文化地質研究会第5回研究発表会
  • [Presentation] 瀬戸内地域の花崗岩製石造物の山陰-北陸地域における分布と時代変化2021

    • Author(s)
      先山徹
    • Organizer
      日本地球惑星科学連合大会2021年大会
  • [Presentation] 土石流がもたらしたブランド石材:御影石(六甲花崗岩)2021

    • Author(s)
      先山徹
    • Organizer
      日本地質学会第128年学術大会
  • [Book] 中世都市奈良の考古学的研究2022

    • Author(s)
      佐藤亜聖
    • Total Pages
      220
    • Publisher
      吉川弘文館
    • ISBN
      978-4-642-09362-0

URL: 

Published: 2022-12-28  

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