2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on video archive systems for natural science museums such as zoos and their utilization
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19K01150
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Research Institution | Advanced Sclene, Technology & Management Research Institute of Kyoto |
Principal Investigator |
吉田 信明 公益財団法人京都高度技術研究所, 研究開発本部, 主任研究員 (00373506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正之 京都市動物園, 生き物・学び・研究センター, 生き物・学び・研究センター長 (80280775)
塩瀬 隆之 京都大学, 総合博物館, 准教授 (90332759)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動物園 / 教育普及活動 / インターネット映像配信 / 行動観察 / 着眼点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の最終年度として,監視カメラ映像と,その映像から自動抽出したデータの教育普及活動での活用について,実験によりその効果の検証をおこなった. 実験では,クラウドサービスを組み合わせて監視カメラ映像を用いた観察の仕組みを構築し,一般の匿名実験者ら(クラウドソーシングサービスを通じて依頼)に観察してもらった.観察用の映像として,動物園で収録した5分の監視カメラ映像2本(アジアゾウ・ツキノワグマ)を用いた.これらの映像を配信する際,半数の協力者には,映像の中の見るべき複数の時間を「着眼点」として提示した.その有無による効果を比較するため,協力者らには,映像から観察された「気になった行動・面白いと思った行動」を,自由記述形式で映像ごとに最大5件回答してもらった.比較は,回答中で言及された行動の具体性により行った. その結果,着眼点を提示したインターフェースを用いた実験協力者の過半数が,回答項目すべてで具体的な行動に言及した.このことから,着眼点の提示が,映像を用いた教育プログラムにおいて,一般市民が具体的な行動に着目する手がかりを与える可能性が示唆された.その一方で,2本目の映像では回答の具体性が低下する傾向が見られたことから,監視カメラ映像を利用した教育プログラム等において,変化の少ない定点映像を繰り返し提示することによる観察への影響もうかがわれた. このような映像を教育普及活動で利用するにあたっては,監視カメラ映像は膨大であることから,コンテンツを効果的に,かつ,自動提供できることが期待される.上述の実験結果は,適切な課題・映像・着眼点・ユーザインターフェース等を選択することで,監視カメラ映像を用いた動物園における教育用コンテンツの自動提供が可能であることを示唆している.
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Research Products
(2 results)