2021 Fiscal Year Annual Research Report
2018年西日本豪雨災害地調査にもとづく土砂災害発生域の高精度予測研究
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19K01154
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
須貝 俊彦 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90251321)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 崩壊 / 土石流 / 写真測量 / 流路変化 / 頻度規模分布 / 花こう岩流域 / 流紋岩流域 / 放射性炭素年代測定 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2018年西日本豪雨災害の発生域を対象として、2019年東日本台風災害および2017年九州北部豪雨災害地域も加え、豪雨を誘因とする表層崩壊、土石流、洪水氾濫による地形変化特性の解明を試みた。具体的には、発災前後の空中写真判読、UAV Sfmによる現地写真測量、DEMによる流域地形解析、地形地質踏査と堆積物の採取・分析、年代測定を総合して検討した。
表層崩壊は、花こう岩地域と、開析の進んだ流紋岩地域では0次谷で発生する例が卓越し、崩壊の面積規模と頻度の関係はべき関数で近似され、その傾きは1より大きく、土砂生産量（総削剥量）でみると、小規模な多数の崩壊がやや効果的であることがわかった。四万十の堆積岩地域では、果樹園に利用されている斜面の極浅層の土壌部の崩壊が多発し、崩壊面積規模の減少とともに急激に頻度（崩壊個数）の増加が認められた。未開析で赤色風化殻のみられる流紋岩地域では、搭載斜面の上部がシート状に剥離して、土石流化・泥流化する例も見られた。
崩壊土砂は土石流化し、谷の短波長の屈曲を無視して、直線的に流下する傾向が明瞭で、コアストンが流下した花こう岩と流紋岩流域で顕著であった。谷口通過後も、河道短絡やクレバス地形形成が多地点で認められた。
いくつかの土石流扇状地や小規模な河成段丘崖で、有機質細粒層が挟在する露頭を発見し、それらの放射性炭素年代を測定した結果、開析が進んでいる花こう岩流域を背後にもつ場合は、完新世初期以降、千～3千年に一度程度の頻度で、今回のような土砂の移動・堆積が繰り返し生じてきた可能性が示唆された。一方、未開析の流紋岩流域では、基盤を被覆する中世温暖期の泥炭質細粒層を覆って2018年の土砂が堆積し、完新世を通じて斜面は安定的で、21世紀の豪雨で崩壊が起き、多量の土砂が移動した可能性が示唆された。
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