2019 Fiscal Year Research-status Report
諏訪湖と十三湖の長期結氷記録の解析による冬季気候変動と地球温暖化の実態解明
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19K01155
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
長谷川 直子 (石黒直子) お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (60433231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 岳彦 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 客員教授 (10114662)
平野 淳平 帝京大学, 文学部, 准教授 (80567503)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 気候学 / 気候復元 / 結氷 / 湖 / 日本 / 諏訪湖 / 十三湖 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は初年度ということで、諏訪湖と青森十三湖のデータのチェックのための現地調査をそれぞれ複数回行った。 まず諏訪湖では、2回の出張調査を行った。現在まで結氷記録を観測し続けている神社の宮司さんへのヒアリングを2回にわたって行い、また公表されていない時代の記録を入手した。さらに、この神社による観測とは異なる時代の記録について、市立博物館に所蔵されている原本の記録を入手した。これらはいずれも旧字体で書かれているため、現在まで翻刻作業を行っているところである。さらに、すでに公表されているデータの出典が複数存在するため(例えば、諏訪史料叢書の当社神幸記・御渡り帳、田中阿歌麿「諏訪湖の研究」、藤原・荒川(1954)データベース、八剣神社の記録など)、それらの違いを調査している。 つぎに青森十三湖関係では3回の出張調査を行った。主には1)弘前市立博物館に所蔵されている弘前藩御国日記をすべて写真保存し入手した。これについては現在まで翻刻作業を行っている。また2)十三湖への現地調査を行い、複数の役所や資料館を訪問し、弘前藩日記以降の結氷データが存在するかどうかを調査した(これについては現在調べた限り、存在しない)3)青森地方気象台へ行き、アメダスが導入される以前の区内観測所データ(1800年代末から1900年台前半)の弘前・五所川原の気象データを画像入手した。これについては現在必要な気象要素をデジタル化する作業に取り掛かるところである。 また、12月には国際シンポジウムを開催し、本研究成果を海外の研究者にも共有するとともに、海外の類似の研究内容についての多くの知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
諏訪湖と十三湖の結氷データは旧字体で書かれており翻刻作業が必要なこと、もともとのデータが長期にわたる膨大なものであるために作業に時間がかかっているが、途切れることなく作業を進めており、進捗としては順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
諏訪湖の結氷記録は複数の出典が存在し、それぞれ情報が微妙に異なることが、我々の調査によって少しずつ明らかになりつつある。これらを正確に、公表することが必要であると考えている。そのためにも、翻刻作業やデータのチェック、現地での関係者への聞き取りが必要になる。今後、新型コロナの状況が落ち着いたら現地調査を行い、詳細を明らかにした上で論文として公表したいと考えている。
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Causes of Carryover |
年度末の出張と学会発表を予定していたが、それらが新型コロナの感染により、出張は取りやめ、学会は中止、となったため、予算が執行できなかった。
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Research Products
(9 results)