2021 Fiscal Year Research-status Report
気候変動下における沿岸堆積物の動態と漁場認識―零細金採掘地域をモデルとして―
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19K01158
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
川瀬 久美子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40325353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池口 明子 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (20387905)
赤坂 郁美 専修大学, 文学部, 教授 (40574140)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ASGM / 零細金採掘 / フィリピン / 気候変動 / 環境ガバナンス / 水銀汚染 / 漁場認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年は新型コロナ感染予防のための海外渡航制限や活動制限のため、本研究で当初計画していたフィリピンでの現地調査や住民を対象にガバナンスに関する ワークショップの開催ができなかった。2019年度に入手していた資料・試料の整理や地形や植生などの環境資料の整理にとどまった。研究代表者・川瀬はマンブラオ湾の湾央 の5地点の表層堆積物について、Pb(鉛)-210年代測定と水銀含有量,および珪藻分析を実施した。また、対象地域周辺の自然環境とSMGM (人力零細金採掘)や沿岸の水産資源利用状況との関係を検討する資料として、MERIT DEMおよびMERIT HYDROを活用して対象地域の地形と水系図を、国土地理院地球地図のデータより対象地域の土地被覆と植生(樹木被覆率)について地図化した。一方、水銀汚染と持続可能な社会形成のための資料として、熊本県水俣市の水俣病患者支援組織「相思社」の水俣病考証館の展示資料についてのオンラインで解説を受けた。また、相思社スタッフに対して、水俣病発生の経緯や現在の水俣市および日本における持続可能な社会形成の現状や課題について、オンラインで聞き取り調査を行った。分担者・池口は,沿岸集落において収集した食事の計量調査結果などの解析を行なった。分担者・赤坂は,調査地域周辺の気候とその変化を把握するため,ホセ・パンガニーバンの5つの村の住民を対象に,気候変化に関する聞き取り調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染防止のため海外渡航が制限され、当初計画していたフィリピンでの現地調査やワークショップが開催できなかった。海外渡航が難しいため、日本で水銀汚染が発生した熊本県水俣市における持続可能な社会形成に関する調査の実施を計画したが、訪問予定時期に国内の新型コロナ感染状況が悪化したため、国内調査も断念した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染の状況はやや改善の兆しがある。フィリピンの外国人入国制限は緩和されており、日本の海外帰国者の自宅待機期間なども変更されている。今年度はフィリピンに渡航してワークショップを開催し、環境ガバナンスの形成のための実地調査を行う。仮に感染状況が悪化した場合は、現地協力者と連携して、オンラインでの実施を検討する。
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Causes of Carryover |
2021年度は新型コロナ感染予防措置で海外渡航制限があり、フィリピンでの追加調査および現地ワークショップ開催が実施できなかった。2022年度はフィリピンでの追加調査および現地ワークショップ開催を実施することによって、予算を執行できる。
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