2022 Fiscal Year Research-status Report
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19K01177
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
大城 直樹 明治大学, 文学部, 専任教授 (00274407)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会教育 / 景観 / 場所 / 郷土 / 神社 / 御嶽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度もコロナ禍にあって,なかなかフィールドへ出ることもままならない一年となった。ただしそんな中でも,6月と1月に,いずれも短期間ながらも沖縄出張を行うことが出来たのは幸いであった。とりわけ今回は那覇市内にある沖縄県立図書館での古写真の資料調査が捗り,社会教育と郷土意識の発現形態をより具体的に把握することが出来たのが大きな収穫といえる。当然文章からだけでは,建造物等の姿は分からない。だが写真に映ってさえいれば,その姿を確認できるし,周りの風景の中にあってどのような存在感を示していたかも把捉可能となる。とりわけ宮古島(宮古神社ほか)と石垣島(八重山神社ほか)の調査は進捗した。日本地理学会の秋季学術大会(香川大学)でその成果の一部を報告することが出来た。両地域における「神社」のあり方にかなりの相違を認めることが出来たのが大きかったといえる。宮古の方が,(沖縄在来の)御嶽の「神社化」がより広範に行われていたのである。しかも現在もなお神社の看板を降ろしていない御嶽も存在する。宮古神社は現存するが,八重山神社の場合,太平洋戦後に取り壊されることとなった。だが,その敷地の広大さもあって,進駐軍の催しものや博覧会等,様々なイベントの舞台ともなっていった。こうした場所の系譜を追いかけて事実を発掘できたのも成果の一つである。 来年度まで本研究は延長されることとなったが,さらなる事実の発掘に邁進したいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で出張機会が確保しにくいため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の5類への移行が5月8日に行われたので,再度流行とならない限りは,出張機会の制限もほぼ無いものと考えられる。よって当初の期間であった3年間から2年も延長されたのを幸いと考え,沖縄本島のみならず,宮古諸島や八重山諸島における調査も行うことで,研究の一層の充実を図りたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため,計画していた調査を実行できなかったためである。次年度は本年度の計画予定(とりわけ沖縄での調査)も含める形で予算を執行していく予定である。
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