2019 Fiscal Year Research-status Report
Practical research on regional environmental management and revitalization based on the idea of Ecomuseum
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19K01186
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
淺野 敏久 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (00284125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 直樹 金沢大学, 地域政策研究センター, 准教授 (60326296)
清水 則雄 広島大学, 総合博物館, 准教授 (70437614)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エコミュージアム / 都市農村交流 / 環境管理 / エコツーリズム / 東広島市 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,エコミュージアムを用いて,地域の自然・文化環境の保全を,域内の人的交流により進める「具体的な仕組み」を考案することである。事例として「賀茂台地エコミュージアム」を提唱する広島県東広島地区を取り上げる。ここは,平成30年7月豪雨により住民生活のみならず自然環境や歴史的文化財への被害が生じており,地域の環境復旧にエコミュージアム手法を活かせるのかを模索する場となる。具体的に,まず,エコミュージアムの視点から,地域資源および被災状況の把握,地域の担い手組織の洗い出し,活動への協力意向を調べる。次に,社会実験として,テーマや方法を変えた都市住民と周辺住民の参加するワークショップを複数回実施し,手法の評価・内容の評価・参加者の評価などの情報を収集する。それらをもとに,継続的に実施できる事業を考案し,エコミュージアム地域内のサイト間の連携と都市住民を周辺地域に継続的に呼び込む仕組み(組織)を考案する。 本年度は,フィールド内の地域遺産の現況調査と,利害関係者への聞き取り調査を重点的に行った。それを踏まえて,5つのツアー案を考案した。それぞれのツアーのテーマは,「野生生物と農村地域のくらし」,「生活の中の水の景」,「湾と流域のつながり」,「地域におけるバイオマス等再生可能資源・エネルギー」,「歴史・文化遺産の保全と活用」である。 なお,本年度は,当初計画にあげた「社会実験としてのエコミュージアム・トリップの実施」は見送り,2年目に予定していた「市民ニーズ調査」を前倒しで実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研費を用いての研究とは別に,フィールドの1つである東広島市について調査や実践活動を行う機会があったので,科研費を用いた調査と棲み分けを行いながら研究を進めた。そのために2年目に実施予定であったWEBアンケート調査を1年前倒しで実施した。一方で新型コロナウィルスの影響で2月3月に予定していた先進事例調査や学会発表が中止・延期となってしまった。結果として先に行えた分と,延期した分があり,あわせて考えれば順調に進んでいるといえる。 研究計画書に即して報告すると,1)「研究動向のレビューおよび先進事例調査」については年度末の先進事例調査ができなかった。2)「エコミュージアムのエリア内の自然遺産・文化遺産の現況調査」については,当初に予定していた以上に集中的な調査を行えた。3)「送り出し側(市街地側)の担い手組織に関する調査」は予定通りに実施できた。4)「社会実験としてのエコミュージアム・トリップの実施」は2年度目に行うこととした。5)「市民ニーズ調査と成果発信」については市民ニーズ調査を前倒し実施した。成果発信については,国際博物館会議での発表を行うことができたが,3月の学会発表は新コロナウィルスの影響で中止になった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は,研究計画書にあげた5項目,1)研究動向のレビューおよび先進事例調査,2)エコミュージアムのエリア内の自然遺産・文化遺産の現況調査,3)送り出し側(市街地側)の担い手組織に関する調査,4)社会実験としてのエコミュージアム・トリップの実施,5)市民ニーズ調査と調査期間修了後を視野に入れた成果発信,のうち,本年度は1)の先進事例調査,4)のエコミュージアム・トリップの社会実験,を中心的に行う予定である。しかし,年度初めの段階で,新型コロナウィルスの影響でいずれもすぐに行える状況ではなくなっている。そのため,様子を見定めながら,調査実施の再開を検討する必要が生じている。そのため,現地調査を伴わない情報収集を行うことに比重を置くことも検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大を意識した移動自粛により,2月と3月に予定していた現地調査と研究打ち合わせ(3人*1泊2日)と学会発表と情報収集(2人*2泊3日)が中止・延期となったため。ここで延期になった調査等については,次年度に実施する予定としている。
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Research Products
(16 results)