2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of street crimes with geospatial bigdata
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19K01194
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
花岡 和聖 立命館大学, 文学部, 准教授 (90454511)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 街頭犯罪 / 時間帯別滞留人口 / ビッグデータ / 統計分析 / ルーティン・アクティビティ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画書においては、ひったくりや不審者情報等の街頭犯罪に対する予防の観点から、ルーティン・アクティビティ理論や防犯環境設計の考え方に基づき、犯罪発生とその場所周辺の(1)時間帯別滞留人口並びに(2)人の目の高さから見える物理的な景観特性の関連性について、「地理的ビッグデータ」を活用し統計解析を実施することを計画していた。 今年度は、(1)に関して、複数の時間別滞留人口データベースを入手し、そのうちの一つと街頭犯罪発生件数の関連性を統計手法を用いて定量的に評価した。その結果からは、施設立地や居住環境といった周辺環境を調整した上でも、時間帯別滞留人口指標に有意な結果が認められ、その説明力も他変数と同程度であったことから、ルーティン・アクティビティ理論を支持する内容が認められた。現在、英国リーズ大学の研究者らと議論を重ねるなどして、分析で得られた成果を精査しており、今後、それらを研究論文にまとめ地理学関連の学術雑誌に投稿予定である。 (2)の物理的な景観特性と犯罪発生の関連性について、景観データ収集や画像解析に必要な計算機環境を整備した。屋外での景観データ収集は、19年度末から20年度上半期を計画していたが、調査環境の変化を理由に変更し、現在、20年度下半期を予定している。また代替の調査手段として、高解像度の衛星画像利用するなど着実な研究実施に向けた追加の検討を行っている。20年度末頃には、景観データを用いた街頭犯罪発生場所の景観要素抽出の自動化とそれらの定量的評価を目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績欄で言及したように、本研究計画の前半で予定していた街頭犯罪と時間帯別滞留人口分布との関連性については第一段階の統計分析を完了し、一定の成果が認められた。一方で、景観要素抽出の自動化に関しては、計算機環境を用意してきたが、調査環境の変化に伴い、屋外での景観データの収集方法や日程を再検討している。以上の進捗状況を総合的に踏まえて、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
街頭犯罪(ひったくり)と時間帯別滞留人口の関連性については、再度、研究成果を精査した上で、その成果を地理学の主要な学術論文に投稿する予定である。本研究成果は、犯罪分析に、携帯電話の位置情報に基づく新しい地理的ビッグデータ活用した点でオリジナリティのある内容と考えている。また、景観構成要素の抽出の自動化と街頭犯罪分析に関しても、データ収集方法や使用するデータを工夫しながら20年度内にはその解析を実行する計画である。上記のいずれかの成果を20年度末に開催される地理学関連学会で研究発表を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、屋外調査の時期を次年度に変更したため生じた。次年度使用額は、屋外での調査実施が可能となれば景観データ収集調査に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)