2020 Fiscal Year Research-status Report
Religious-folkloric Reconstruction of Study on Ascetics in Mt.Haguro
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19K01197
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
岩鼻 通明 山形大学, 農学部, 名誉教授 (20167282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 志伸 山形大学, 学士課程基盤教育機構, 准教授 (10326754)
原 淳一郎 山形県立米沢女子短期大学, その他部局等, 教授 (10533226)
吉野 裕 帝京大学, 文学部, 准教授 (20742092)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 出羽三山 / 羽黒修験 / 湯殿山 / 月山 / 山岳信仰 / 即身仏 / 信仰碑 / 旅日記 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始の2年目はコロナ禍で、県外でのフィールドワークおよび対面での聞き取り調査は困難を極めた。とりわけ、首都圏在住の研究分担者は、フィールドである山形県での現地調査がほぼ不可能となった。そのため、研究代表者および分担者の各自が居住地域に近接する地域の図書館などで出羽三山信仰に関わる資料調査を実施したり、電話での聞き取り調査を行うなどの研究上の工夫を試みざるをえなかった。 また、関連する書籍や資料などの購入や、関連文献の取り寄せ・複写などによって、出羽三山信仰に関する既往の研究についての蓄積を進めた。 一方、2020年10月に山形県酒田市で開催された山形県民俗研究協議会総会の場で、研究代表者が湯殿山の即身仏について研究発表する機会があり、分担者の一人も参加することができた。 さらに、山形大学庄内地域文化研究所の第2回シンポジウムとして、即身仏に関わる議論を鶴岡市中央公民館を会場に2021年1月に開催することができ、50人余りの来場者を集めて議論することができた。研究代表者が研究発表を行い、その後のパネルディスカッションには遠方の分担者は参加できなかったが、代表者および一人の分担者を含めたパネリストで、多様な議論と問題提起を深めることができた。 以上のように、2020年度は、各自にとって研究に沈潜して深める機会にはなり、オンライン講義などで多忙化したために、個人差はあるものの、一定の研究成果をあげることができた。この蓄積を2021年度以降の調査研究に生かしながら、引き続き研究課題に取り組んでいきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、コロナ禍で、民俗学および地理学・歴史学・考古学にとって必要なフィールドワークを実施することが困難となった。とりわけ、首都圏在住の分担者が、フィールドである山形県に来訪して現地調査を実施することはほぼ不可能となった。 そのために、居住地の近隣の図書館などでの資料調査や、文献資料の収集調査に力点を置かざるをえなかったが、湯殿山即身仏に関わる新たな古文書史料の発見など、一定の成果をあげることができた。したがって、進捗状況としては、順調とはいえないものの、状況に即した対応を行いながら、一定の進展はみられたといえよう。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍が解消次第、また各自のワクチン接種が終わり次第、現地調査を再開したい。出羽三山神社所蔵資料の閲覧や、羽黒山手向における宿坊での聞き取り調査、同じく手向での職人に対する聞き取り調査、羽黒山山内における石造物の調査などを進めていきたい。また、それらのデータ整理も謝金を活用して入力作業を進めていきたい。 ただし、コロナ禍の収束が長引いたりして、研究計画に影響が生じた場合は、2021年度が最終年度となるが、2022年度への延長申請も検討したい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために、民俗学・地理学・歴史学・考古学にとって必要不可欠となる現地調査が、ほとんど遂行できない状況下に置かれた。とりわけ、首都圏在住の研究分担者がフィールドである山形県に来訪して現地調査を実施することが不可能となった。 それゆえ、予定していた旅費を研究代表者および他の分担者も一部しか消化することができなかった。2021年度は昨年度の未使用分も活用して活発なフィールドワークを実施することを心がけたい。 ただし、コロナ禍の収束が長引いた場合には、もう1年間の延長を申請することも考慮しながら、研究計画を策定したい。
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Research Products
(12 results)