2021 Fiscal Year Research-status Report
技術・制度・環境の連環からなる世界への人類学的・哲学的アプローチ
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19K01198
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山崎 吾郎 大阪大学, COデザインセンター, 教授 (20583991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山森 裕毅 大阪大学, COデザインセンター, 特任講師(常勤) (00648454)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自然と文化 / 構造主義 / 技術 / 環境 / 身体 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目となる2021年度は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響が続き、当初予定していた学会・研究会等の国内出張、現地調査(国内出張)、国際学会(国外出張)については変更またはキャンセルとなった。このため主に予算執行計画を見直し、活動期間を延長して次年度へと繰り越す決定をした。 定期的に実施してきた研究会は、予定どおり対面で月に1回、計12回実施した。加えて、本科研の成果となる論文集(仮題『構造と自然』)の出版準備を進め、研究会、打ち合わせを行った。論集はすでに執筆を終えており、草稿の相互検討をしたのち、2022年度中に刊行予定となっている。 活動当初から準備を進めていた日本法哲学会での研究発表について、オンラインでの実施となり、「現代人類学からの「法と感情」へのアプローチ」と題した報告を行った。人類学と哲学の接点の一つとして情動へのアプローチがあること、またそれが本研究課題で扱ってきた技術・制度・環境と密接な関わりをもった主題となることについて、同学会誌に寄稿した(2022年度刊行予定)。 さらに、現代日本における人類学と哲学の共同研究の可能性について、とりわけ三木清の技術論、制度論にその萌芽がみられることについて、研究会で報告を行った。この点については、2022年度に出版予定の成果論集において詳述している。 全体として、これまでの3年間の活動により、人類学と哲学の交錯に関わる重要な論点が抽出され、今後の議論の基盤が整ったことは、順調な成果であったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた研究会は予定通りに実施することができた。昨年度から準備を進めてきた成果物となる論文集について、順調に企画・執筆が進み、2022年度に出版できることなった。延期となっていた学会での成果報告も実施し、日本哲学のコンテクストとの交錯という新たな論点についても、研究を進めることができた。これらの活動は、2022年度刊行予定の論集へと結実し、新たな活動基盤を創出することにつながった。
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Strategy for Future Research Activity |
対面の研究会については、2022年度上半期まで継続する予定である。その後、オンラインも併用しながら研究会を実施し、本研究会の知見をさらにSTSや社会学など隣接分野の研究と関わらせながら、より規模の大きな共同研究へと発展させていく予定である。論集の成果出版や、他の科研グループとの共同での研究会の開催などが重要な活動になると考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、国内出張、海外出張がキャンセルとなり、また予定していた現地調査についても予定を見直す必要が生じた。このため、研究計画の修正し、2022年度まで1年間延長する決定をした。2022年度は、成果物となる論集が刊行される予定であり、それに関わる研究会、検討会を実施する。また、本科研の継続発展となる、より大きな共同研究を組織すべく成果発表の場を設ける予定である。次年度に繰り越した予算については、これらの活動予算に充てる。
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