2019 Fiscal Year Research-status Report
混血をめぐる帝国の人類学:オマーンの帝国意識と実践
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19K01211
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
大川 真由子 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (70571818)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オマーン / 移民 / 帝国 / 混血 / エスニシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで帝国史研究からは等閑視されていたオマーン帝国を取り上げ、支配者たるオマーン人の帝国意識と実践を、「混血」という切り口から解明することを目的としている。考察の対象となるのは、19世紀から20世紀中葉にかけて、中東から東アフリカ沿岸部にまたがるオマーン帝国内を移動していたオマーン人およびその子孫である。 年度前半は、昨年度末に実施した現地調査の資料の解読・口頭データの整理をした。とりわけ、オマーン帝国史のなかの暗黒部といわれるオマーン人の奴隷制への関与について、オマーン人作家による小説(アラビア語・英語版双方)を読み解きながら、研究を進めた。奴隷制を扱い、2019年に国際的文学賞を受賞したオマーン人作家のインタビュー番組制作にもアドバイザーとして参加するなど、帝国後も続く支配者側(オマーン人)からみた帝国のあり方や混血の意味について考察した。 そのデータは現在執筆中の論文(2020年度刊行予定)に反映されている。 年度後半はイギリス、ロンドンの国立公文書館を訪問し、オマーン移民の史料を収集した。20世紀前半のザンジバルにおけるアラブ協会(オマーン移民が母体)とイギリス植民地政府とのあいだの確執や、下層階級のオマーン移民の生活状況、オマーン移民のグローバルな人口移動など、有益な資料を入手することができた。3月にはオマーンでのフィールドワークも予定していたが、コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
資料講読、論文執筆に関しては予定どおりだが、年度末におこなう予定だったオマーンでのフィールドワークが実施できなかったため、想定していたデータが入手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
例年は年度末に2週間程度の調査を実施するところを、今年度は、コロナウイルス感染状況をみながら、夏および春の長期休暇中双方での海外調査を実施することで、通常より長めの海外調査を予定している。 海外調査が不可能な場合は、昨年度イギリス公文書にて収集した20世紀前半のザンジバルにおけるオマーン移民の資料の解読や分析にあてたい。
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Causes of Carryover |
3月に予定していたオマーンでの調査がコロナウイルス感染拡大の影響でキャンセルせざるをえなかったため、次年度使用額が生じた。繰越金は今年度の海外調査を予定より長く実施することで使用する予定である。
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Research Products
(3 results)