2023 Fiscal Year Research-status Report
混血をめぐる帝国の人類学:オマーンの帝国意識と実践
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19K01211
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
大川 真由子 神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (70571818)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 移動 / 移民 / 帝国 / オマーン / 混血 / エスニシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで帝国史研究からは等閑視されていたオマーン帝国を取り上げ、支配者たるオマーン人の帝国意識と実践を、「混血」という切り口から解明することを目的としている。考察の対象となるのは、19世紀から20世紀中葉にかけて、中東から東アフリカ沿岸部にまたがるオマーン帝国内を移動していたオマーン人およびその子孫である。 年度前半は、前年度収集したーフィールドデータや文献の分析にもとづき、オマーン人の移動に関するエッセイを執筆した。これと並行して、前年度来編者として担当している中東人類学についての特集の原稿執筆や編集業務を進めた。いずれも年度内に出版されている。 年度後半は、オンラインでの資料収集やオマーン在住のインフォーマントとの意見交換をし、データの補強を図った。2月にはオマーンを訪問し、2週間ほどフィールドワークを実施した。年に1度開催される国際文献フェアに出向き、文献収集をおこなったほか、オマーンに出稼ぎに来ているハウスメイドへのインタビューや、「混血」について、現地の知識人らと意見交換をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度のオマーンでの調査は実施できたものの、コロナ禍で3年間調査できなかった分の遅れを取り戻すには至っていないため。また円安でヨーロッパでの文献収集も実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は8月にオマーンにて、また2月にオマーンおよびザンジバル島などの東アフリカにてアフリカ系オマーン人の調査、および帝国に関する文献収集を予定している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で3年間海外調査ができなかったため、前年度より前からの繰越金が多かった。 次年度は、オマーンでの現地調査を2回おこない、旅費で60万円、謝金で15万を使用予定である。
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