2020 Fiscal Year Research-status Report
大分県国東地域における伝統文化の記録保存と継承方法の模索
Project/Area Number |
19K01214
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
黒田 一充 関西大学, 文学部, 教授 (60351491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 安紀 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (30632997)
藤岡 真衣 関西大学, 研究推進部, 非常勤研究員 (20774607)
高田 照世 帝塚山大学, 文学部, 教授 (70737866)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 祭り / 伝統行事 / 民俗芸能 / 神仏習合 / 同族祭祀 / 生きがい |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大分県国東半島と周辺部における祭りや民俗行事を調査、分析するとともに地元の高齢者の人びとの祭りとの関わりや生きがいとする意識の度合いを調査しようと試みて計画した。しかし、当初の研究計画では予想もしなかった新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の流行によって、全国的に祭りや民俗行事は中止になっている。本研究の調査予定地でも同様であり、さらに研究テーマのひとつでもある生きがいに関する聞き取り調査の対象は高齢者であるため、感染症を広める怖れがあることから、2020年3月以降の現地調査はできなくなっている。そのためこの間は、感染症の流行前に現地調査をした際の収集資料の整理と、過去に刊行された自治体史や文化財調査報告書などの関連図書や研究成果の収集と分析だけしかできていない。そのため、不本意ながら、進捗状況は極めて遅れていると報告せざるをえない状況である。 以下、各研究分担者の研究状況と今後の方向性をまとめると、「祭祀空間・文化圏」については、大分県公文書館が所蔵する未完の神社関係資料の分析を引き続き行いたい。「民俗芸能」については、国東地域の歌舞伎衣裳関係資料の調査・収集を行った。引き続き、周辺部も含めた文献資料の収集と、歌舞伎や人形芝居に関する資料について調査・分析を進めていきたい。「生と死・再生」については、小一郎様など同族集団が共通の先祖を祭る信仰があることが知られており、それらの同族祭祀が現在どのような形態で行われているかを調査したい。 「伝統行事・文化の継承」については、今後の調査の新たな視点として、新型コロナウィルス感染症の流行がどのように祭りの継承や参加者の生きがいへ影響を与えたかという視点を聞き取りの内容や分析に加えて、社会における伝統行事の継承に必要な要因を考えたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の流行拡大のため、2020年3月以降は現地調査に出向くことができなくなった。 そのため、関連図書の購入などを除いて、旅費等の大部分の経費はやむを得ず、今年度も繰り越すことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は新型コロナウィルス感染症の流行のため、現地調査はできなかったが、今年度についても大分県国東半島と周辺部における祭りや伝統行事、歌舞伎などの民俗芸能、六郷満山の民俗宗教などの現地調査とともに、高齢者の生きがい支援の聞き取り調査や質問用紙によるアンケート調査を行う予定である。 しかしながら、新型コロナウィルス感染症の流行がおさまる気配は見えず、ワクチンの接種が充分行き渡るまでは現地調査はむずかしいと思われる。今後の研究推進の方策として、研究期間の延長を申請する予定である。
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Causes of Carryover |
本研究は、国東半島周辺地域に直接出向いて、現地で催される祭り・行事の観察やそこに携わる人びとから聞き取り調査をするものだが、2020年3月以来の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の流行によって、祭り・行事は中止になり、聞き取り調査もできない状況が続いている。そのため、研究費の大部分を占める旅費等は、次年度に繰り越しせざるを得なくなっている。 感染症の流行が収束する見込みが出た時点で、現地調査を行う予定である。
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