2022 Fiscal Year Research-status Report
インド西部の地方都市における宗教実践とローカリティ形成に関する人類学的研究
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19K01217
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
三尾 稔 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 教授 (50242029)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インド / 都市 / 祭礼 / ローカリティ / 文化人類学 / 地域研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
現地調査は新型コロナウイルス感染症の流行によって約2年半実施できなかったが、2022年8月から9月にかけて久しぶりに行うことが出来た。研究対象地であるウダイプル市旧市街の各街区の中心的な寺院における祭礼(チャールブジャー神の別の姿とされるクリシュナ神の誕生祭礼)の参与観察を行い、感染症流行後においても寺院がローカリティ―形成において重要な役割を担っていることを確認した。祭礼の模様はビデオ撮影やインタビュー調査によって記録した。調査成果は2023年度に開催を予定している国立民族学博物館の特別展での展示によって公開する他、査読付き学術雑誌への投稿論文としてまとめて執筆する予定である。 また上記の特別展に向け、本科研によるものを含め、これまでの研究成果のデータの整理や編集作業を補助作業要員を雇用して実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け現地調査をしばらく中断せざるを得なかったが今年度になって再開することが出来た。その結果感染症流行後においてもヒンドゥー教のローカルな寺院が都市の街区のアイデンティティー形成の中核的役割を担っていることが確認された。 研究成果の公開に向けたデータの収集と整理も順調に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はこれまでの研究成果を、所属する国立民族学博物館での特別展において自身が実行委員長となり展示および図録によって公開する。また映像民族誌の編集と公開、査読付き学術雑誌への論文投稿などを通じて公開する計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行の影響によって過去2年間にわたり現地調査が実施できず、そのための経費が持ち越しとなっている。感染症流行の影響は漸減しているものの現地調査は慎重に行わざるを得ず、持越し分を一気に使用した調査の実施は出来ない。このため、経費の一部はこれまでの研究成果のデータ整理や編集のための補助作業要員の雇用にあてている。 次年度においてはフォローアップの現地調査を実施する一方、データ整理と編集作業も継続し、展示・映像民族誌・論文の投稿などを実現させるための経費として使用する計画である。
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