• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

農耕民の生業変化と定住化インパクト:東南アジアにおけるモンの事例を中心に

Research Project

Project/Area Number 19K01227
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

中井 信介  佐賀大学, 農学部, 准教授 (90507500)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords生業 / 農耕民 / 定住化 / モン族 / 東南アジア
Outline of Annual Research Achievements

自然資源を利用した生業とそれに関連する文化は、とくに20世紀以降、世界的に大きく変化しつつあり、人類史の視点からみても重要な転換点にある。本研究では、人類の生業史について、生業の変化とその要因を考える試みの1つとして、山地の森林地帯で焼畑を行ってきた農耕民の事例を、定住化インパクトの視点から検討する。主に検討する事例は、中国南部を故地としておよそ18世紀以降に、ベトナム、ラオス、タイへと分布域を拡大してきた、農耕民モン(Hmong)である。
2022年度は本研究の研究期間(2019年度から2022年度の4年間)の4年目に相当し、フィールドワークと聞き取り調査を主に実施する予定であったが、引き続き、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響をふまえて調査をひかえ、これまでの調査結果の整理と文献検討から主に研究を進めた。
その結果、2022年度には、以下のような成果を出版・報告している。
まず1つ目に、モンの定住化過程にともなう自然資源利用の動態について、タケ利用の民族誌データを用いて論じた成果を出版した(Nakai 2023)。またこの成果の内容を踏まえて、2022年12月には、生き物文化誌学会第85回例会『日本におけるタケと人のかかわり』において、コメント発表を行った。
2つ目に、2023年1月には、広くアジアの狩猟採集民の生業を比較検討する、国立民族学博物館の共同研究会『アジアの狩猟採集民の移動と生業』での研究発表を行った。この発表では、主に焼畑民モンの視点からみた、近隣の狩猟採集民ムラブリの生業変化を、双方の民族集団の定住化との関わりから考察した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1年目の2019年度に、従来から訪問経験のある地域を再訪して、研究に必要なフィールドワークと聞き取り調査を実施しているが、2020年度以降、フィールドワークを実施できていない。具体的な課題は明確であるが、フィールドワークの実施を控えたため、これまでの調査結果の整理と文献検討を主に行い、研究を進めた。研究期間の4年目として、当初予定した成果を得るには至っていないが、研究の進め方を工夫することにより、ある程度の成果は得られている。

Strategy for Future Research Activity

現在までの進捗状況を勘案して、研究期間を1年延長する。今後、5年目の研究推進について、課題や実施内容は明確なので、調査を実施して、遅れを取り戻すように研究を進める予定である。ただし、フィールドワーク調査が十分に実施できていないことを踏まえて、現在までに得られている結果の整理と、文献検討を中心とした研究成果のとりまとめ(IUAES2023での報告を予定)も並行して実施することで、研究の遅れを補完できるようにする。

Causes of Carryover

2022年度のコロナ禍の影響で、予定していた海外出張(フィールドワーク)と国内出張(学会参加等)を控えたため。次年度の海外出張(フィールドワークと国際学会参加等)、国内出張(学会参加等)および文献収集で使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 野鶏を飼うための竹カゴ 生き物の行動を制限する2022

    • Author(s)
      中井信介
    • Journal Title

      BIOSTORY

      Volume: 38 Pages: 1

  • [Presentation] モンスーン林山地における狩猟採集民ムラブリの移動と生業2023

    • Author(s)
      中井信介・池谷和信
    • Organizer
      国立民族学博物館共同研究会『アジアの狩猟採集民の移動と生業』
  • [Presentation] コメント:タイにおける焼畑民のタケ利用の視点から2022

    • Author(s)
      中井信介
    • Organizer
      生き物文化誌学会第85回例会『日本におけるタケと人のかかわり』
    • Invited
  • [Book] Global Ecology in Historical Perspective: Monsoon Asia and Beyond2023

    • Author(s)
      Nakai, S 分担執筆 pp.151-168
    • Total Pages
      304
    • Publisher
      Springer
    • ISBN
      978-981-19-6556-2

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi