2022 Fiscal Year Research-status Report
A case study of Base and Sacred place in Okawa
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19K01232
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
山内 健治 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (60254728)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 0沖縄県 / 人類学 / 米軍基地 / 聖地 |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄県内米軍基地内の旧村落の聖地(墓・御嶽)に関するデータアーカイブスをほぼ終える。また、沖縄県中部地区および北谷町内に存在する米軍用地の一部返還計画並びに返還地内に存在する旧村落の拝所のマッピングを終えることができた。とりわけ、嘉手納基地内に存在している旧勢頭地区字の元事務所跡・井戸・集会場施設の撮影・マッピングを行うことができた。このことにより、基地の外に移転した住民により組織された郷友会の活動と年中行事の聞き取り調査が可能となり報告にまとめることができた。内容は「米軍基地接収による移動集落の聖地と景観をめぐる民族誌」として論文として公表予定である。2022年度内には、オンラインにより沖縄県読谷村の村史編纂室と密接に連携して1970年代までの旧村落の聖地や村落景観に関わる画像データ並びに文章資料を収集した。 2022年3月には約2週間の沖縄県下でのフィールドワークを実施した。主な内容は嘉手納町・読谷村・北谷町における軍用地主会へのインタビューと資料収集であった。また一部返還された北谷城の御嶽跡地の写真・文献資料を入手することができた。今後はこの聖地の保存活動を実施する北谷町教育委員会・文化財保護課おt連携して、その整備・保存の経緯を記録すると共に、元住民の祭祀の継承・再編成を記録する予定である。沖縄の基地内に存在してきた聖地・御嶽・拝所が、今後、どのようなレベル(県単位・国単位の文化財化)で整備・保存・再生されるのかに注目しながら、研究を進展させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナ明けの2022年度は沖縄県下に直接フィールドワークを実施することが可能となった。また、沖縄県下での民俗的年中行事もほぼ再開された。したがって、本研究の重要な調査項目である沖縄本島での聖地・拝所・御嶽の写真撮影と関係者へのインタビューが大幅に進めることが可能であった。また、市町村役場関係(読谷村・嘉手納町・北谷町教育員会・村史編纂室)との研究連携も再開できたので、多くの文献資料を直接に入手することが可能となった。これらの資料のデータ・アーカイブを実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に進展したフィールドワークで得られた直接のデータを整理・分析を現在実施している。2023年度は北谷町内の米軍用地から一部返還された北谷城の整備・計画並びに保存事業に関してインテンシブな調査を実施する(6月・8月)。これらにより本研究の中心的課題である「基地と聖地の沖縄史」に関する重要なデータを収集可能とし研究・分析が進捗する。
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Causes of Carryover |
コロナ下で十分な調査ができなかった年度の調査を実施するための予算。
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