2022 Fiscal Year Research-status Report
Reinvestigation of Katakori (neck/shoulder stiffness) in Japan: comparing with neck pain in the US.
Project/Area Number |
19K01233
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Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
高梨 知揚 東京有明医療大学, 保健医療学部, 講師 (10563413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢嶌 裕義 東京有明医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00563412)
高山 美歩 東京有明医療大学, 保健医療学部, 講師 (20563414)
高倉 伸有 東京有明医療大学, 保健医療学部, 教授 (60563400)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肩こり / neck pain / 比較文化 / 痛み / こり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、医療人類学的な観点から「肩こり」を一つの「病い」として捉えながら日本の肩こり患者の主観的経験の詳細を明らかにするとともに、日本の「肩こり」と米国の「neck pain」に対する認識の比較を通じて、これらの共通概念を探索することを目的としている。 2022年度は「日本の肩こりはいわゆる『痛み』を含むのか?またneck painはいわゆる『こり』を含むのか?両者を同じと考えてよいのか?」という、「痛み」と「こり」をめぐる両者の性状の異同に関する問いを中心として、日本の「肩こり」と米国の「ncek pain」の特徴を比較するためのウェブアンケート調査を行った。 対象は「肩こり」を有する日本人1000名(以下肩こり群)と「neck pain」を有する米国人660名(以下neck pain群)で、いずれも15歳から74歳の都市部在住者であった。肩こり群とneck pain群において、それぞれの性状に「痛み」と「こり」を含むか尋ねたところ、肩こり群では「痛みを含む」が35.2%、neck pain群では「こりを含む」が85.3%となり、neck pain群の多くがその性状に「こり」を含むことが明らかとなった。一方、「痛みを含む」肩こり群とneck pain群の間で「痛み」の性状を、また、肩こり群と「こりを含む」neck pain群の間で「こり」の性状を比較すると、いずれもその性質に多くの違いが認められた。肩こり群とneck pain群の直近1週間のVASを比べるとneck pain群の方が高く、また就学・仕事への影響、日常生活への影響、気分・精神状態への影響も強かった。 neck pain群の多くがその性状に「こり」を含むという結果からは、neck painと肩こりが類似した状態と考えられる一方で、「痛み」および「こり」の性質や強さについては両者に違いがあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度までのウェブ調査会社の作業の遅延に伴う調査計画の遅れを取り戻すべく、2022年度は、年度開始早々に作業体制を立て直してもらった上で調査会社と調査実施のフローの再検討を行い、調査準備を再開した。しかしながら、日本語と英語の調査票の作成・点検に相当の時間を要し、また実査の段階で、特に米国での調査において目標サンプル数に近づけるために調査期間を長めに設定したこともあり、データ収集完了時期が、当初予定していた2022年度前半から2022年度後半へと大きくずれ込んだ。そのため、データ処理についても簡易的なデータ分析にとどまり、2022年度後半に予定していた成果報告のための学術論文執筆・投稿に辿り着くことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度前半は、日本の「肩こり」と米国の「neck pain」の詳細な比較分析を行うとともに、日本の肩こり、および米国のneck painのそれぞれに特性ついても詳細に検討する。2023年度後半は、分析の結果について学会報告および学術論文として発表する。
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Causes of Carryover |
当初は2022年度前半に調査を終え、年度後半に海外雑誌へ論文投稿する予定であったが、調査の遅れに伴い論文投稿も年度内に行うことができなかった。そのため、論文投稿費用として計上していた予算が次年度使用額となった。次年度使用額は、同年度の論文投稿費用として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)