2020 Fiscal Year Research-status Report
多文化都市におけるイベントに関する文化人類学的研究
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19K01234
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
渋谷 努 中京大学, 教養教育研究院, 教授 (30312523)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多文化 / フェスティバル / 外国人集住地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、現地調査としては大阪の八尾市で行われるフェスティバルでの参与観察を行う予定であった。しかしフェスティバルがコロナ禍の影響で開催できなかった。 そのため、今年度は、「ほみにおいでん」が開催されている愛知県豊田市保見団地における外国籍住民と日本人住民との関係の歴史を新聞記事を中心に調査し、その中で日本人住民が主催するイベントにゲストとして外国籍住民が参加する形から、自分たちの団体を組織し、さらに自分たちのでイベントを開催するようになってきている経緯について明らかにした。1990年代始めのブラジル人住民受け入れの初期においては、日本での生活に適応していないことから日本人住民との間で衝突が生じた。また、両者における共通言語がないため、お互いにコミュニケーションができず、またブラジル人住民側も積極的に日本人住民と関わろうとする意識が低かった。そこで、日本人住民側が交流を企画したフェスティバルに対して「ゲスト」として参加し、ブラジル的な文化実践を提示するにとどまっていた。 その後、ブラジル人住民の定住化が進み、少なくとも日本人住民との関係が成立するようになっている。そのようなつながりが成立して初めて、「国際フェスタ」や「ほみにおいでん」のようなフェスティバルが可能になったと言える。ブラジル人住民と日本人住民との間での協働がないと、場所や機材の賃貸や保健所の許可、さらにブラジル人住民を始めたその他の外国人を集めることは難しいかった。その意味でも、国際フェスタにしろほみにおいでんにしろ、国籍を超えた協働の成果であり、またこのようなフェスティバルの機会が国籍を超えた繋がりを再確認する機会ともなっていた。このように外国籍住民の組織かがイベント開催に大きな影響を与えるという点は、多文化を背景した人々の間での協働の可能性を追求する上で重要な因子であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により、研究対象イベントが中止となり、さらに現地調査を行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍が終息し、現地に調査が行けるようになったら積極的に、調査を行う。
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Causes of Carryover |
2020年度はコロナ禍のためイベント等が開催できず、インタビューをすることも困難であった。2021年度は、コロナが終息したのちに速やかに、現地に赴きインタビューを行いデータを収集する。
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