2023 Fiscal Year Annual Research Report
多文化都市におけるイベントに関する文化人類学的研究
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19K01234
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
渋谷 努 中京大学, 教養教育研究院, 教授 (30312523)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フェスティバル / 多文化 / 多文化共生 / 国際交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
豊田市保見団地、大阪府八尾市、山形県鶴岡市で行われている多文化に関わるフェスティバルに関する調査を行った。それらの調査により、フェスティバルを開催することで、外国籍住民にとっては同国出身者とのネットワークを形成し、さらに強化する機会になっている。フェスティバルを開催することで、エスニックマイノリティグループにとって、自分達の結束を強める働きがあり、さらに参加する各団体とのネットワークを形成していた。また、自分たちの文化の料理や歌、踊りを披露することで、自分化を呈示し再確認する機会であり、帰属意識を高める機会になっていた。しかし多文化フェスティバルで自文化を提示するグループの中には、自国の伝統的な楽曲や踊りを披露する場合もあれば、それに捉われず、現在はやっているポピュラーソングを歌う場合もあれば、日本の「ふるさと」のように有名な曲を母国語で歌う場合もある。つまり、多文化のフェスティバルは、文化を越境する機会にもなっていた。 このように多文化に関わるフェスティバルは、外国籍住民にとっては自国出身者とのつながりを強化する機会となるとともに、自文化を日本人に提示し、また再確認する機会になっていた。さらに日本人住民にとっても外国籍住民にとっても、このように、自分達の文化を固定的に捉える側面とともに、様々な形で流用や越境が行われており、そのような本質主義的な見方から相対化する機会ともなっている。そしてこれは日本人住民と外国籍住民との間の関係にも言えて、彼らの権力関係を相対化し、お互いに教え合う関係を築く機会ともなっていた。
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