2023 Fiscal Year Research-status Report
世界遺産バンチェン遺跡の遺物の古美術品化とその価値づけをめぐる文化人類学的研究
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19K01239
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
中村 真里絵 愛知淑徳大学, 交流文化学部, 助教 (20647424)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バンチェン遺跡 / 古美術品 / 考古遺物 / デジタルアーカイブ / 博物館 / コレクション / 世界遺産 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、主に以下の二つの研究を実施した。 一つめは、1967年にバンチェン遺跡が「発見」されてから、日本にバンチェン遺跡や遺物がどのように紹介されてきたのかを明らかにするため、国立国会図書館において1960年代後半以降の雑誌記事および新聞記事を渉猟した。それにより、バンチェン遺跡が発見当時に理化学的年代測定の値の古さから学術界だけでなく一般の日本人からも注目を集めていたこと、その背景に、高度経済成長を遂げた1970年代以降に日本人による海外文化への関心の高まりがあったことを明らかにした。また、記事のなかには茶の湯の席にバンチェン土器を利用する事例が見られたりと、個人が古美術品として考古遺物を収集し、観賞しているだけではなく活用していた事例も散見された。 二つめは、愛知県新城市の私設博物館であるヨコタ博物館の収蔵資料のデジタルアーカイブ化を進めた。この博物館は、バンチェン土器をはじめとする東南アジア大陸部を10,000点以上もコレクションしているが、資料が未整理状態のままであった。これに関連し、「人間文化研究機構共創先導プロジェクト(共創促進研究)「学術知デジタルライブラリの構築」国立民族学博物館拠点(X-DiPLAS)」に採択された。具体的には、このライブラリに登録するためにヨコタ博物館のフィルム資料のデジタル化を実施した。現在は、ヨコタ博物館関係者と他の研究者の協力を仰ぎ、収蔵資料の分析しドキュメンテーション化を図っている。これについては、来年度も継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により、2年半、海外出張に行けなかったことが現在にまで響き、当初の予定よりも若干の遅れが生じた。しかし、現在ではコロナ禍に海外に行けなかった際に、国内の研究資料に目を向けてから、研究の新たな発展も見られ一定の成果を上げた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、2023年度に採択されたデジタルアーカイブ化事業(人間文化研究機構共創先導プロジェクト(共創促進研究)「学術知デジタルライブラリの構築」国立民族学博物館拠点(X-DiPLAS))の充実を図る。具体的には、ヨコタ博物館にて、収蔵品の整理を博物館関係者および研究者と連携しながら進め、一般公開を目指す。 さらに、海外での現地調査を実施し、これまでの調査データをまとめ、研究成果を公開していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の際に計画していた海外調査が実施できなかったことが現在にまで影響し、次年度使用額が生じた。今年度は、ヨコタ博物館の資料整理を継続しつつ、海外調査を実施し使用する。同時にこれまでの調査データをまとめていく予定である。
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Remarks |
人間文化研究機構共創先導プロジェクト(共創促進研究)「学術知デジタルライブラリの構築」国立民族学博物館拠点(X-DiPLAS)2023年度公募プロジェクト採択 https://www.r.minpaku.ac.jp/x-diplas/call_for_projects.html
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