2019 Fiscal Year Research-status Report
チャイルド・デス・レビューの研究:効果的な法制度設計と運用の実現を目指して
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19K01249
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小佐井 良太 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20432841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 英世 愛媛大学, 法文学部, 教授 (40372726)
河村 有教 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), 国際海洋政策研究センター, 准教授 (30403215)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | チャイルド・デス・レビュー(CDR) / 子どもの死亡事故 / 死因究明 / 事故調査 / 事故予防・再発防止 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始初年度となる2019年度の研究実績の概要は、以下の通りである。 第一に、2019年10月に開催された日本犯罪社会学会第46回(2019年度)大会において、死因究明制度とCDRに関するセッション報告を行った。具体的には、研究メンバー及び研究協力者がそれぞれの研究成果を踏まえ、死因究明制度の現状・課題とCDRの意義、保育事故の現状から見たCDRの必要性、日本におけるCDR構想の特徴と課題等について報告を行った。 第二に、CDRに関心を有するさまざまな関係者との間でCDRに関する勉強会を開催した(2019年9月)。勉強会には、厚労省科研にてCDRに関する研究を担ってきた医療系研究者をはじめ、保育教育学の研究者、弁護士、ジャーナリスト、子どもの死亡事故遺族らが参加し、参加者の多様な立場・専門性を踏まえCDRに関する学際的な検討・意見交換の機会を持つことができた。 第三に、上記勉強会以外にも、これまで厚労省科研の下でCDRに関する研究を進めてきた医療系研究者との間で、CDRに関する学際的な検討・意見交換の機会を得て、今後の日本におけるCDR導入に向けた方向性や課題等を確認することができた(2019年8月、12月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にも記載の通り、日本犯罪社会学会でのセッション報告やCDRに関わる多様な立場の研究者・関係者との勉強会の開催など、研究初年度に予定していた研究活動を概ね順調に進めることができた。 他方、初年度終盤の研究活動については、新型コロナウィルス感染症問題の影響を受けて、当初の研究計画通りに進められない面もあった。具体的には、2020年2月中旬に予定していた医療系研究者とのCDRに関する勉強会について、開催を次年度以降に延期する判断をせざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度に構築することができたCDRに関する医療系研究者並びに多様な関係者とのネットワークを生かしつつ、一方で、今後のCDRの具体的な制度導入に向けた議論・検討の展開を踏まえた制度設計に関する法学的な検討を進めて行く。 他方で、海外のCDR導入国における法制並びにその効果的な運用と課題に関する比較法的調査研究について、当初の研究計画では、研究2年目の2020年度にオーストラリアでのヒアリング調査を予定していた。しかし、新型コロナ感染症問題の影響により、現時点では渡航の目途が立たないことから、研究最終年度となる3年目・2021年度での実施を視野に入れつつ、当面は主として文献に基づく調査と分析・検討を予定している。
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Causes of Carryover |
理由は、主として出張旅費について、年度末に予定していた複数回の出張が新型コロナ感染症問題の影響を受けて取り止めとなったため。 使用計画は、次年度以降、出張旅費として適切な執行に努めるほか、必要に応じて文献等の購入費にも充て、物品費での適切な使用を計画する。
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Research Products
(4 results)