2021 Fiscal Year Research-status Report
チャイルド・デス・レビューの研究:効果的な法制度設計と運用の実現を目指して
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19K01249
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小佐井 良太 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20432841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 英世 愛媛大学, 法文学部, 教授 (40372726)
河村 有教 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (30403215)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | チャイルド・デス・レビュー(CDR) / 子どもの死亡事故 / 死因究明 / 事故調査 / 事故予防・再発防止 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間3年目となる2021年度の研究実績の概要は、以下の通りである。 第一に、CDRに関心を有するさまざまな関係者が参加して開催された「CDRオンライン模擬検証会」に参加する機会を得た(2022年3月)。検証会には、厚労省科研にてCDRに関する研究を担ってきた医療系研究者をはじめ、研究者、弁護士、児童福祉関係者らが参加し、関係者との間でCDRでの個別検証のイメージを確認するとともに、個別検証にかかる課題についての意見交換を行うことができた。 第二に、CDRの法制化に向けた具体的な検討と法制化を進める上での課題等について、CDRの法制化に関心を持つ国会議員有志との意見交換の機会を得た(2022年1月)。これまでの研究成果に基づいてCDRの法制化を進める上で検討すべき課題を整理し、今後の法制化に向けた方向性の一端を具体的に示すことができた。 第三に、研究成果の一部についてWebニュース配信メディアによる取材を受け、記事として配信されることで、研究成果を社会的に公表する機会を得た(2021年12月)。記事では、特にCDRでの検証に際して死因究明の必要性とも絡み捜査情報の活用が不可欠であること、またそのためには、捜査情報の活用を制度的に可能とするための法制化の必要性に言及した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き、新型コロナウィルス感染症問題の影響を受けて、予定していた厚労省CDRモデル事業の視察と検証に取り組むことができなかった。研究実績欄にも記載の通り、オンラインを最大限に活用する形で研究活動に努め、研究成果の一部公表等について一定の成果を挙げた一方、研究計画最終年度として十分な研究成果の取りまとめを行うまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの3年間で構築することができたCDRに関する医療系研究者並びに多様な関係者とのネットワークを生かしつつ、一方で、今後のCDRの具体的な制度導入に向けた議論・検討の展開を踏まえた制度設計に関する法学的な検討をさらに進めて行く。とりわけ、国レベルでのCDR法制化に向けた立法等の具体的な展開に留意しつつ、さまざまな機会を捉えて法制化に向けた議論に貢献することを目指す。 他方、研究成果の取りまとめと公表に向けて、多方面の関係者の協力を得ながら研究会またはシンポジウムの開催を目指す。さらには次年度以降の継続的な研究課題の申請に向けて具体的な準備を進める。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、2年目となる昨年度に海外(オーストラリア・メルボルン)での研究調査を予定し、そのための出張費等を確保すべく研究費の傾斜配分を行っていた。しかし、コロナ感染症の影響により計画の変更を余儀なくされたことが最大の理由である。加えて、国内でも出張等を行うことができなかったため、次年度使用額が生じることとなった。 次年度使用額の使用予定については、可能な範囲で都道府県レベルで進められているCDRモデル事業のフォロー検証・視察のための出張旅費や、研究成果の取りまとめを目的とした研究会又はシンポジウムの開催経費(旅費・謝金等)を中心に、適切な形での研究費の執行に努める。
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Research Products
(2 results)