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2021 Fiscal Year Research-status Report

2020年中国民法典制定前後における不動産所有権法の理論と実務

Research Project

Project/Area Number 19K01252
Research InstitutionTakushoku University

Principal Investigator

長 友昭  拓殖大学, 政経学部, 教授 (20555073)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords民法典 / 中国法 / 不動産 / 到達点 / 相続 / 登記 / 所有者不明 / 不動産法
Outline of Annual Research Achievements

2020年に制定された中国民法典の規定全般について、不動産法との関連の視点で評価・考察する企画の編集を担当した。その成果は、不動産学会誌35巻3号(138号)、2021年11月において、特集「中国における民法典の制定と不動産法制の到達点」として公表した。この特集は、同誌所収の長友昭「特集「中国における民法典の制定と不動産法制の到達点」にあたって」においても述べたように、「各論点について、各分野を専門とする実務家・研究者から12本の論考を集めた。これにより、一般的・概説的な内容を超えて、従来の議論と改正後の到達点を明らかにする」ものである。具体的には、射手矢好雄「中国ビジネスの実務における民法典の到達点」、中岡深雪「中国不動産市場の動向と到達点」、周藤利一「中国の不動産公法と民法典の制定」、周劍龍「中国民法典における不動産の権利主体の多様化」、胡光輝「中国民法典における区分所有制度の到達点」、楜澤能生「農地請負経営権の「三権分置」をめぐる到達点」、但見亮「「宅基地使用権」の改革とその到達点」、長友昭「中国民法典における居住権の意義と到達点」、石本茂彦=張超「民法典制定による担保法制の整理と到達点と中国進出企業への影響」、小口彦太「「統一契約法」から「民法典契約編」へ」、國谷知史「中国の協議離婚冷静期について」、王冷然「中国民法典制定における土地工作物責任の到達点」を所収できた。
中国民法典の資料的価値に鑑み、民法典を改正前の関連規定と対照して翻訳する試みも継続して進め、物権編、権利侵害責任編、人格権編に続いて総則編について、長友昭「中華人民共和国民法典総則編の試訳」拓殖大学政治行政研究、2022年3月を公表できた。
比較法の対照として、日本の民法・不動産法の改正動向として、長友昭「所有者不明土地の相続と登記をめぐる法制度の動向」土地と農業52号、2022年3月を公表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルスの影響により、海外出張による実態調査がまったく実施できていない。その意味では当初の研究計画からの遅れは明らかである。
その一方で、同様の理由により、海外での研究や業務の実施できない国内の研究者から、想定外の協力を得ることができたため、本来であれば中長期的な準備が必要になるほどの雑誌企画(特集「中国における民法典の制定と不動産法制の到達点」不動産学会誌35巻3号(138号)、2021年11月)を短期間において実現し、完成・公表することができ、当初想定した形とは異なるものではあったが、大きな研究の進展を得ることができた。
これらを総合的に評価して、「(3)やや遅れている。」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

当初予定していた研究の最終年度を迎えることとなった。海外での実態調査の見通しについては、多少の希望はありつつも、中国と日本の双方における事態の正常化を待てる時間的余裕は無さそうである。計画通りの実態調査に基づいた研究からは方向転換することもやむを得ないと考える。
そこで、今後は、日本国内からも入手・アクセスが可能な書籍や立法過程をめぐる情報等に基づいて、現在までの中国民法典における不動産所有権法の理論状況を取りまとめることに主眼を置いて研究に取り組むこととする。
その一方で、この間もメール等で連絡を取り続けた中国側の研究者と、より連絡や交流を密にして、当初は対面で行うことを企画していた研究成果に基づく意見交換や交流などのできる研究会やシンポジウムについて、オンライン等の実現可能な方法での開催を模索することとしたい。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの影響で、当初の使用計画で予定していた海外での実態調査ができなかったことが最大の要因である。また、これまでに使用予定だった助成金を残された研究期間ですべて使用するのはむずましい状況であるといえる。
そこで、海外実態調査が可能になれば、可能な範囲で実態調査を行い、当初の使用計画に近づけるようにする。その一方で、現実に実行可能な研究として、当初の予定より多くの書籍等の資料等を収集して、文献研究を手厚くするという研究手法の変更が考えられる。もちろん、実態調査と文献研究では、助成金の使用の範囲や研究成果に異なるところも生じると思われる。しかし、現在の環境においては、やむを得ない状況といえるだろう。柔軟な対応を心がけて、当初の計画をふまえた研究成果を得られるように努めたい。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 2021

All Journal Article (5 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] <不動産法の最前線>掘削湧出温泉に慣習上の物権としての温泉権が成立するか否かに関する裁判例 ──物権法定主義をめぐる民法理論の視点から2022

    • Author(s)
      長友昭
    • Journal Title

      日本不動産学会誌

      Volume: 35巻4号 Pages: 111-115

  • [Journal Article] 中華人民共和国民法典総則編の試訳―1986年民法通則,2017年民法総則からの改正点・対照資料として2022

    • Author(s)
      長友昭
    • Journal Title

      拓殖大学政治行政研究

      Volume: 13 Pages: 43-79

    • Open Access
  • [Journal Article] 20220320長友昭「所有者不明土地の相続と登記をめぐる法制度の動向――農地から見た令和3年民法・不動産登記法等の改正を中心に2022

    • Author(s)
      長友昭
    • Journal Title

      土地と農業

      Volume: 52号 Pages: 101-124

  • [Journal Article] 中国民法典における居住権の意義と到達点 : 日本法との比較もふまえて2021

    • Author(s)
      長友昭
    • Journal Title

      日本不動産学会誌

      Volume: 35巻3号 Pages: 43-49

  • [Journal Article] 特集「中国における民法典の制定と不動産法制の到達点」にあたって2021

    • Author(s)
      長友昭
    • Journal Title

      日本不動産学会誌

      Volume: 35巻3号 Pages: 4-5

URL: 

Published: 2022-12-28  

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