2023 Fiscal Year Annual Research Report

Analysis and reprinting for thd Dando-daiary

Research Project

Project/Area Number	19K01255
Research Institution	Ryukoku University
Principal Investigator	福島至龍谷大学, 公私立大学の部局等, フェロー (30208938)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	畠山亮龍谷大学, 法学部, 教授 (20411283) 斎藤司龍谷大学, 法学部, 教授 (20432784)
Project Period (FY)	2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords	團藤重光 / 最高裁判所 / 法思想 / 團藤日記 / 宮内庁 / 團藤ノート
Outline of Annual Research Achievements	龍谷大学矯正・保護総合センター所管の團藤文庫内にある團藤重光日記（以下「團藤日記」という。）を研究資料とし、その分析を二つの研究関心（最高裁の評議過程と團藤の法思想形成過程）から行うことが、本研究の目的であった。この研究関心に基づいた分析と並行して、最高裁判所判事時代の團藤日記を翻刻することも課題としてきた。最終年度においては、全体研究会を5回開催（オンライン併用）することができたほか、我妻榮記念館や札幌大学図書館、鹿児島県龍郷町りゅうがく館などへ赴き、法学者の蔵書など個人文書の保存とその公開、活用のあり方などについての現地調査を実施した。この結果、團藤日記第１巻（團藤重光が最高裁判事であった１９７８年から１９８１年にかけて書かれたもの）翻刻作業をほぼ完了させ、出版用の原稿を概ね整えることができた。また、日記公刊に際して、プライバシーや名誉の保護などについての留意点なども整理することができた。研究期間全体を通じた研究成果について述べる。当初は３年の研究期間で研究を遂行する予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けて研究活動は遅延し、期間は5年に及んでしまった。しかしながら、概ね当初の研究計画は達成できたと考える。本研究では、團藤が記した日記のうち、最高裁判事時代に執筆された7冊を対象としていたが、その文字起こしとテキストデータ化作業は完了した。特にそのうちの第1巻の翻刻作業は終了し、龍谷大学の出版補助の決定を受け、2024年度中に公刊できる見込みである。第2巻以降については、デジタルデータ化したのものを公の利用に供するように準備中である。また日記も利用した最高裁の審理経過の分析に関しては、2023年4月のNHKテレビ・ ETV特集「誰のための司法か」として社会に公表するまでに研究を遂行することができた。