2019 Fiscal Year Research-status Report
近世と近代をつなぐ刑事法と刑事裁判－地方検察庁旧蔵史料からうかがう
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19K01265
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| Research Institution | Osaka City University |
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Principal Investigator |
安竹 貴彦 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (20244626)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 明治初年 / 断獄 / 若松県 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究を開始するための各種の準備作業に重点を置いた。すなわち、国立公文書館つくば分館に所蔵されている地方検察庁旧蔵史料のうち、若松県が作成した明治初年の断獄（刑事裁判）記録の閲覧複写申請を積極的に行い、史料画像の入手に努めた。その結果、同館が所蔵する若松県史料で廃藩置県以前に作成された刑事裁判記録のうち、半数強の簿冊を入手・実見することができた。
また、入手した若松県刑事裁判史料を分析するための前提作業として、福島県内の各種自治体史を精力的に収集して読み込み、明治初年のこの地域の状況と変化を把握することにも努めた。その結果、研究計画に記した明治初年若松県における裁判組織や刑罰体系などが、未だ充分には解明されていないことを改めて認識することができた。ただし、コロナウイルスの影響などもあり、現地調査は実施できていない。
さらに、上記の現存する若松県史料のうち、作成年代が古いものから翻刻作業を開始し、数冊の翻刻を完了した。まだ、充分な分量とは言えないため、当時の裁判組織や刑罰体系を明らかにしうる水準には到達できていないが、当時の若松県における犯罪発生状況やその処罰の一端については認識することができ、比較対象のひとつである明治初年の大阪府とはかなりの差異があることを確認しえた。
その比較対象のひとつ明治初年大阪府については、科研費の直接的対象ではないが、翻刻・分析を進め、少なくとも明治2年度については完了の目処を得ることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史料や自治体史の収集・分析等は当初の予定よりも進捗していると判断できる。しかし、研究科内の管理職に就任したこと、コロナウイルスの影響などの理由で、現地へ赴いての調査を今年度は実施しえていない。
若松県史料の国立公文書館つくば分館への申請についても、まだ数冊を残しており、早急にこれらを入手する必要がある。
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| Strategy for Future Research Activity |
2020年度中には国立公文書館つくば分館所蔵の若松県刑事裁判記録の申請・入手を完了する予定である。
また、上記職務の遂行状況やコロナウイルスの状況にもよるが、可能であれば2020年度中に福島県を訪れ、史料等の現地調査を実施したい。現地調査が不可能な場合には、入手した同県史料の翻刻・分析作業に重点を置いて実施したい。
比較対象のひとつである明治初年大阪府の刑事裁判記録については、少なくとも2020年度中に明治2年度分の翻刻・紹介を完了する計画を立てている。もうひとつの比較対象である熊本藩についても、上記の作業に着手する予定である。
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| Causes of Carryover |
前記の通り、今年度は管理職への就任やコロナウィルスの影響により、現地調査が実施できず、国立公文書館つくば分館への史料請求に重点を置かざるを得なかった。
同館については、一度につき請求可能な簿冊の数が限定されており、一括して大量の閲覧・画像送付の請求ができないことになっている。
極力間隔が生じないように分割・連続して請求を続けたが、年度末までに執行しえない結果となった。
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