2020 Fiscal Year Research-status Report
Redesigning the international regulation of AD anti-circumvention measures: with special focus on the country-of-origin/rules-of-origin determinations
Project/Area Number |
19K01310
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
小林 友彦 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20378508)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 迂回防止 / アンチダンピング / 原産地規則 / WTO / 政府調達 / 北極海航路 / 貿易と環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際貿易の規制において、個別の不公正貿易に対抗するためのアンチダンピング(AD)制度と、通関事務として物品の国籍を認定するための原産地規則(ROO)制度とは、性質も機能も異なるとされてきた。しかしながら、AD「迂回防止」に関わる問題を媒介として、ADとROOの間には緊張関係が顕在化している。そしてそれは国内法上困難を生じさせるのみならず、両分野の国際法規範の展開をも妨げる現象が生じている。このような状況において、国際法学はどのような対応を提示できるか? 本研究は、主要国の国内法制を比較検討することを足がかりとして、①どのような制度間調整が国内・国際レベルにおける選択肢となるか比較分析した上で、②異なるレベルの国際制度のどこで(またはそれらを貫通して)規律することが最適か、実証的に検討する。これらを通して、国内制度と相互連関しながら多元的・多層的に併存する複数の国際制度間の新たな調整の可能性を示そうとする。 研究プロジェクト2年目となる2020年度は、コロナ禍の渦中にあり資料収集や打合せのための出張が全く行えなかった。居宅と研究室が異なる市にあるため、外出・移動制限のために自らの研究室にある資料へのアクセスにも支障が生じた。そのため、研究は申請当初の予定よりもやや遅れている。とはいえ、本プロジェクトの核心となる論点について検討を進め、複数の媒体で公表した。また、政府調達協定上の原産地規則やその「迂回」に関する論点や、北極海航路を航行できる特殊な船に対する造船補助金に関連する「迂回」に関する論点、「貿易と環境」をめぐる関連する論点など、隣接領域に分析の射程を拡大できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の渦中にあり資料収集や打合せのための出張が全く行えなかった。居宅と研究室が異なる市にあるため、外出・移動制限のために自らの研究室にある資料へのアクセスにも支障が生じた。その一方で、Zoom等のオンライン会議システムの性能が向上し普及したため、隔地的な意見交換がしやすくなった面もあるものの、全体として、研究に集中して取り組める状況ではなかった。そのため、研究は申請当初の予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
オンラインでの資料収集や意見交換への習熟度が高まったことから、昨年度の遅れを取り戻すべく集中して最終年度の研究を進め、成果発表を行う。研究計画を変更するほどの本質的な課題・障壁はない。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の渦中にあり資料収集や打合せのための出張が全く行えなかった。居宅と研究室が異なる市にあるため、外出・移動制限のために自らの研究室にある資料へのアクセスにも支障が生じた。その一方で、Zoom等のオンライン会議システムの性能が向上し普及したため、隔地的な意見交換がしやすくなった面もあるものの、全体として、研究に集中して取り組める状況ではなかった。 しかし、オンラインでの資料収集や意見交換の態勢構築にも慣熟したため、本年度はそれらに必要な費用を含めて機動的に利用し、研究成果の発表に注力することを計画している。
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Research Products
(5 results)