2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analyzing the Implementation Process of International Law: A Case Study of an Agreement between South Korea and Japan Based on the United Nations Convention against Transnational Organized Crime
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19K01319
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
金 惠京 日本大学, 危機管理学部, 准教授 (30638169)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 法実現 / 国際法 / テロリズム / 日韓比較 / 人権 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画において、本研究は日本と韓国の法実現の状況を検討した上で、最終年度に国際社会や国際法全体の課題を指摘することを想定していた。しかし、論考発表時期の関係からKim(2021)にて国家テロへの法的対処が困難でありながら、国際性を伴う国家テロが散見される状況を指摘した。そして、最終年度には現行の大韓民国憲法の根幹をなす1987年の民主化までの過程を通史および国際比較の視点を通じて明らかにした。換言すれば、研究計画の2年目と3年目(最終年度)の内容が逆転してしまった状況がある。 本研究で目的としていたのは、国際組織犯罪防止条約の締結過程を通じて、条約の理念をいかに国内法レベルで具現化できるのかという点であった。その点については、金(2020)の中で日韓比較を行うことで、「日本においては同条約への早期締結を目指す意図から、テロへの脅威が政府によって利用された」との課題を明らかにできた。しかし、「なぜ韓国では、日本と異なり国際組織犯罪防止条約の理念の通りに国内法の整備が行われたのか」という点に関しては従来の研究(主として金(2015))以上の指摘が出来なかった。そこで、金(2021)では、韓国の法認識の根幹をなす民主化の意義や韓国への国家テロを度々行った北朝鮮との二国間関係を検討した。加えて、現在未刊行の単著論考【※「東アジアにおける国際人権」国際人権法学会編『新国際人権法講座 第1巻 国際人権法の歴史』信山社。2021年秋に原稿提出】では、韓国と台湾でほぼ同時期に行われた民主化の過程比較を通じて、国際社会の要請に応えることに対する意識が、韓国においては国際社会の動向や国際法の人権意識向上と連携しながら民主化が達成されたため台湾に比べ強いことを指摘した。
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Research Products
(1 results)