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2022 Fiscal Year Research-status Report

国際スポーツ法における人権保障に向けた新たな動向に関する実証的・理論的研究

Research Project

Project/Area Number 19K01320
Research InstitutionChukyo University

Principal Investigator

石堂 典秀  中京大学, スポーツ科学部, 教授 (20277247)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords人権保障 / 暴力 / ハラスメント / 通報窓口 / 比較法研究
Outline of Annual Research Achievements

2022年度は、国際的な人権保障を考える上で、スポーツにおける暴力・ハラスメントを防止するための比較法的研究を行った。諸外国においては、被害を受けた選手を救済するために、概ね、①禁止行為の詳細かつ明確な定義、②指導者の経歴チェック、③教育プログラムの提供、④通報窓口及び紛争処理機関の整備が行われてきている。そこで、わが国での①~④までの実施状況について調査研究を行った。これまでの研究としては①、②について海外の取り組み状況とわが国における制度の不備について論じてきた。現在では、スポーツ庁によるスポーツガバナンスコードが制定され、各競技団体に対して④通報窓口の整備が求められるようになった。そこで、通報窓口の運用状況について調査研究を行い、現状と課題について論じた。2022年度は、海外調査も行うことができた。国際サッカー連盟の主催するFIFA football Lawの会議(計4回)に参加し、FIFAの法務担当者及び各国のサッカー協会の所属する法務担当者(主として弁護士)やスポーツ法実務家、スポーツ法研究者が参加し、ガバナンス、コンプライアンス、人権問題など多岐にわたり議論を行うことができた。また、会議の講師陣も著名な法律家が講義を行い、非常に示唆に富む内容となっていた。また、スポーツ仲裁裁判所(CAS)カンファレンスにも参加し、スポーツ仲裁における人権に関する仲裁判断のあり方について議論を行った。今後の論文発表の参考になった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2022年度は、論文として、スポーツにおける暴力・ハラスメントの防止に関する論稿2本、スポーツ調停に関する論稿1本の他、令和4年度日本スポーツ協会調査委託事業「体育・スポーツにおける暴力・虐待・差別等の人権侵害防止に関する調査研究」報告書において「スポーツ団体における通報窓口制度の運用状況について」を著した。学会報告では、第31回日本スポーツ法学会において、「スポーツ競技団体における通報窓口について」報告を行った。また、日本スポーツ法学会2022年度夏期合同研究会(「スポーツ法と国際政治との関係性;現在地と未来への展望を考える」)において、 パネルディスカッションのファシリテーターとしてロシアのウクライナ侵攻に伴う、国際オリンピック委員会によるロシア選手及び役員等の国際競技大会や国際競技団体からの排除に関する諸問題を議論した。チューリッヒ大学・京都大学主催のドーピングに関するワークショップ(Joint Workshop on Legal Responses to Doping)においてHorse Dopingに関する報告を行った(英語発表)。この他、国際サッカー連盟やスポーツ仲裁裁判所などの国際的なカンファレンスにも参加することができ、今後の研究に資する有意義な情報収集も行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

2022年度は、国際サッカー連盟の主催するFIFA football Lawの会議(計4回)に参加した。そこでは、FIFA及び各国のサッカー協会の所属する法務担当者(主として弁護士)やスポーツ法実務家、スポーツ法研究者が参加し、ガバナンス、コンプライアンス、人権、国際的な移籍問題、未成年者選手の保護のあり方など多岐にわたり議論を行うことができた。また、講師陣もFIFAの法務部のトップが講義を行い、その内容も非常に高度なものとなっていた。国際スポーツ法の仕組みを理解する上で非常に意義のある会議であった。2023年度は、この会議での議論を成果物として発表していきたいと考えている。また、2023年度は、IOCの提供するプログラム(Safeguarding Officer in Sport)への参加が認められた。このプログラムは、安全なスポーツ環境を構築するために、各国のNOC関係者が参加し、世界の著名な研究者、実務者がレクチャーを行い、共通のフレームワークを構築していくことを目指している。ここでの議論を参考にしながら、国際的な人権保障のフレームワークを提案していきたいと考えている。

  • Research Products

    (6 results)

All 2023 2022

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 1 results,  Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] スポーツ紛争における調停の可能性2023

    • Author(s)
      小川 和茂,Paul Denis Godin ,石堂 典秀
    • Journal Title

      中京ロイヤー

      Volume: 38 Pages: 73-93

    • Open Access
  • [Journal Article] スポーツにおけるハラスメント・暴力に関連する法的諸問題2022

    • Author(s)
      石堂典秀
    • Journal Title

      ジェンダーと法

      Volume: 19 Pages: ー

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 体罰・虐待防止の制度構築の現状と課題―アメリカセーフスポーツセンターの役割を中心として―2022

    • Author(s)
      石堂典秀
    • Journal Title

      体育・スポーツ政策研究

      Volume: 31 Pages: 39-50

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] スポーツ競技団体における通報窓口について2022

    • Author(s)
      石堂典秀
    • Organizer
      日本スポーツ法学会
  • [Presentation] スポーツ法と国際政治との関係性2022

    • Author(s)
      石堂典秀
    • Organizer
      日本スポーツ法学会
  • [Presentation] Horse Doping2022

    • Author(s)
      石堂典秀
    • Organizer
      Joint Workshop on Legal Responses to Doping
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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