2020 Fiscal Year Research-status Report
海事債権の実現方法に関する比較法的研究―船舶先取特権制度の再検討を中心として
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19K01372
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| Research Institution | Okayama University |
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Principal Investigator |
増田 史子 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (60362547)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 運送契約 / 傭船契約 / 船舶先取特権 / アレスト |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、船舶の運航に伴って生じる様々な債権の実現のために利用される日本法上の諸制度、特に船舶先取特権制度について、主要国の同様の機能を有する制度と比較検討し、機能面に着目して分析しようとするものである。
2019年度分の研究実施状況報告書にも記載した通り、当初の研究計画では情報収集、資料収集、学会・研究会への参加のために国内外の出張を予定していたところ、2019年末頃からの新型コロナウイルス感染症の蔓延により出張を伴う調査・研究を実施することは事実上困難となったため、2020年度は、主として文献の収集とその分析を行うことで研究を進めた。当初の予定では、2020年度中に英法系諸国の法制と日本法との比較を概ね完了させる予定であったが、最近になって、英法系諸国における船舶アレストに関し、重要な研究論文が複数公表され、その内容を踏まえてこれまでの分析の見直す必要が生じたため、現在も継続して検討を行っている。また、2020年度には、大陸法系諸国の関連法制の調査にも、着手した。文献研究の過程で新たな視点の検討が必要となったことから、進捗状況はやや遅れ気味であり、2020年度中にまとまった研究成果として公表できる形にすることはできなかった。このため、2021年度中の研究発表、論文の公表を目指して、引き続き検討を進めている。
以上の通り、日本法上の船舶先取特権制度と英米法系諸国の船舶アレスト制度の比較検討に関しては、一応着実に資料収集を行い、文献研究を進めることはできたが、研究成果として公表するには至っていない。なお、本研究の内容に関連する業績としては、運送契約上のリスクバランスについて論じた英語論文を1件公表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に示した通り要検討事項が生じたこと、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により例年よりも様々な面で負担が増加し十分な研究時間の確保にやや苦労したことから、進捗状況はやや遅れ気味となっている。また、学会、研究会などの中止、延期などにより、効率的に情報収集を行うことも難しかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度も出張が困難な情勢が続きそうなので、現在のところ、本年度は文献研究の成果をまとめることに注力したいと考えている。なお、昨年度の研究実施状況報告書では昨今の社会情勢の国際海運への影響の見極めが必要と思われる旨も記載したが、情報収集の結果、研究計画の変更を必要とする性質のものではないと考えられたため、研究の方向性自体はそのまま維持する予定である。
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| Causes of Carryover |
本研究計画においては、複数回の国内出張、海外出張を予定していたところ、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、2020年度は出張をほとんど行わなかったため、次年度使用額が生じた。必要な範囲で物品費（主に書籍代など）として使用するほか、可能であれば、資料収集のための国内旅費等として使用したいと考えている。
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Research Products
(1 results)
