2019 Fiscal Year Research-status Report
「監護法」としての未成年後見法の再構築―日独台中法の比較研究
Project/Area Number |
19K01375
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
遠藤 隆幸 東北学院大学, 法学部, 教授 (60387462)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 未成年後見 / 里親 / 親権法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の中心的な研究課題は、日独未成年後見法制の比較研究であった、とりわけ検討の素材となったのは、ドイツ現行未成年後見法において、(1)監護権限の調整につきどのような議論がなされていたのかを整理すること、および(2)未成年後見法改正案を段階ごとに、身上監護権限の問題に即しまとめること、である。後者については、里親制度を視野に入れた考察が不可欠なところ、十分な知見を得られずにいたが、Veit”Pflegeeltern im Blickfeld der Vormundschaftsreform”FS Koch の公表により、一定の見通しを得ることができた。今後も改正状況およびその議論状況を継続的にフォローする予定である。 無論、日独の法状況の基底である問題の位相は異なるため、表面的な比較にとどまることは、問題状況を見誤ることにもなりうる。その意味で、関西家事事件研究会(5月18日)における報告「未成年後見制度の日独比較」および、その後の裁判官を中心とした実務家および研究者との意見交換は、国内未成年後見の実態や問題状況を理解するうえで貴重な機会であった。 今後は、台中の未成年後見法の検討へ進むことになるが、新型コロナウイルスによる移動制限により、当初予定していたヒアリング調査は、大幅な変更を迫られることになろう。したがって、比較法の比重を当初と比べ変更することも視野に入れ、研究を進行させることも検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドイツ後見法に関する文献調査に関しては、おおむね順調である。他方で、後半に予定していた台湾での実態調査は新型コロナウイルスの影響により、中止を余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
当面の間、海外での実態調査は大きな制約をうけることになるであろう。計画当初予定していた実態調査をどのように実施するか、その代替的方法についても今後は検討しなくてはならないように思われる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、移動ができなかったことが大きい。状況が好転しない場合の対応等を視野に入れ、代替的方法を採ることも検討する。
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Research Products
(5 results)