2023 Fiscal Year Annual Research Report
「債権者等の組分け」からみた事業再建手続の基本的課題の再検討
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19K01377
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
田頭 章一 上智大学, 法学部, 教授 (80216803)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 事業再生手続 / 債権者の組分け |
Outline of Annual Research Achievements |
事業再生手続における債権者の組分けの意味を探究し、その今後の可能性について検討した。研究は、現行法における「決議のための組分け」を主たる対象として開始したが、後により広い視点、すなわち、同じ実体法上の優先順位を持つ債権者間でも利害が異なることがあり、その利害の相違を事業再生プロセスにおいてどのように反映させていくか、という観点からの考察が重要と考えるに至った。また、多様な債権者グループを手続に取り込んでその利害を専門家たる代表者に主張させるという考え方は、もともと性格を異にする権利者を手続対象とする会社更生手続だけでなく、手続簡略化のために手続の効力範囲をあえて一般債権者に限定したといわれる民事再生手続でも制度的・解釈的考察の基本的視点になると考えた。 そのような観点から、文献調査を中心に外国の法制度や実務の状況を検討し、債権者の組分けは、債権者集会の決議の場面だけではなく、交渉のための単位として意義を有するのではないかという視点を得た。そこで、現行法の下で債権者の集団的利益を主張する役割を担う債権者委員会や代理委員が十分な役割を果たしているか、という観点からそれらの手続機関の問題点を指摘し、立法的な見直しの必要性にも踏み込んだ検討を行った。また、事業再生手続においてもIT化時代が訪れようとしていることとの関係では、IT技術を通じて、債権者の組分けの仕組みに基づく債権者グループ利益代表者の参加を促すことが、わが国における事業再生手続の目指すべき一つの方向となりうることを指摘した。
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