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2023 Fiscal Year Research-status Report

Construction of the model for corporation between judicail and adminisrative institutes in resolving international family disputes

Research Project

Project/Area Number 19K01395
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

村上 正子  名古屋大学, 法学研究科, 教授 (10312787)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywords子の福祉 / 子の引渡し / 強制執行
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、子の引渡しを命じた家事審判の強制執行の手続のあり方を中心に研究を行った。令和元年に民事執行法が改正され、子の引渡しの強制執行の手続が明文化されたが、その後の実施状況を見る限り、改正前からの問題が解決されたとは言えない状況である。特に対象となる未成年子が別居親に引き渡されることを拒否している場合に、執行不能となる事例が散見され、子の福祉に配慮しつつ、審判内容を迅速に実現させるために、どのような手続をとるべきかを検討した。問題の背景には、すでに審判前から別居状態にあり、別居親と子との交流が断絶している片親阻害の状態が相当程度続いており、審判からその実現までの過程で、さらにその断絶が長期化することで、ますます子の忌避的感情が強固になっているという状況がある。
これまでの議論は、執行手続においても子の意向をできるだけ尊重し、子の意見を聴取する機会を含めた独自の手続を構築するという立法論が中心となっているが、本研究では、現行法の枠内での手続のあり方を模索した。具体的には、執行手続に子を巻き込まないことが子の福祉に資するという見解に立ち、引渡しを命じられた同居親(債務者)には、子の忌避的感情を理由として引渡しを拒むことを認めず、その忌避的感情を和らげ、別居親との交流を促進し、子の負担にならないような環境を整えたうえで引渡しを行う義務があることを明らかにした。そしてそれを裁判所や中立的な第三者機関がサポートするべきであることを確認した。
子の監護をめぐる紛争が裁判所に持ち込まれるときには、すでに当事者(両親)間の対立は相当に激しくなっており、その時点で友好的な解決を図ろうとしても困難である。紛争が激化する前の早い段階で行政のサポートを提供すること、そして執行段階でもそれを保障することで、任意の履行につなげられることを再確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

これまでの研究を踏まえて、子の引渡しの強制執行のあり方を、令和元年に改正された現行法の枠内で改めて見直すという作業が必要であると思い、その研究に時間を割いたため、他国の行政機関の関与及び司法機関との連携の分析が後回しになってしまったことが原因である。

Strategy for Future Research Activity

当初は2023年度が最終年度であったが、一年延長したので、最終年度では、研究の総括として、他国の行政機関の関与及び司法機関との連携の分析と、共同親権導入に関する家族法等改正を踏まえて、①裁判所が関与する前、②裁判所での調停・審判手続、③審判後の履行確保段階(執行手続を含む)、それぞれのステージで、司法と行政の連携のあり方について、具体的な提案をまとめていく予定である。

Causes of Carryover

学内業務との関係でスケジュールが合わず、国内外の聞き取り調査が十分にできなかったため。次年度で研究をまとめる必要があるので、学内業務のスケジュールを調整して、適宜国際ワークショップ(共同研究者の招へい含む)を開催するなどして、計画的に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] ハーグ子奪取条約事案における乳幼児の常居所とその判断2024

    • Author(s)
      村上正子
    • Journal Title

      戸籍時報

      Volume: 848 Pages: 26-33

  • [Journal Article] ハーグ条約実施法134条に基づく間接強制の方法による子の返還の強制執行の拒否2023

    • Author(s)
      村上正子
    • Journal Title

      ジュリスト臨時増刊令和4年度重要判例解説

      Volume: 1583 Pages: 118-119

URL: 

Published: 2024-12-25  

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