2019 Fiscal Year Research-status Report
イノベーション促進システムとして知的財産法の役割と関連法制度・市場との協働
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19K01422
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
前田 健 神戸大学, 法学研究科, 准教授 (80456095)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 知的財産法 / 特許法 / 著作権法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、知的財産法を、多くの公法および私法により形成される法的な秩序及び市場で形成される取引秩序の中の一つの要素として捉えたうえで、①特許法と医薬品規制の協働、②デジタル化の進展に伴う著作権法制度の改革、③新技術の特許保護、④ソーシャルネットワーキングサービス等の新ビジネスモデルと知的財産保護などの諸課題に取り組むものである。 本年度は、研究の初年度であり、成果として論文の公表には至ってはいないが、研究は着実に進捗している。具体的には、①~④のそれぞれについて研究を開始し、先行研究・関連研究の調査・裁判例の分析や我が国及び諸外国の立法事例の調査分析等を行っているところである。①については、いわゆるパテントリンケージに関しての文献調査、医薬品開発と特許法についての研究会への参加等による意見交換、②については2018年、2019年著作権法改正に関する資料の調査、③ビジネス方法に関する発明についての裁判例等の事例の調査、④ソーシャルゲームに関する文献や事例の調査等を実施した。 また、昨年から続く研究の成果でもあり、本研究の更なる進展の土台となる成果がいくつかあがっている。①に関するものとしては、医薬品用途発明に関する一連の成果、②に関連するものとしては、近年の著作権法改正についての分析に関する一連の成果、③に関連するものとしては、ビジネス方法に係る発明の特許保護についての一連の成果がある。詳細は、研究発表リストに掲げた通りである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度については研究はおおむね順調に進展している。研究成果を徐々に出し始めることができ、次年度以降の研究成果に向けた準備の状況もおおむね順調に推移してきている。もっとも、2020年3月以降の新型コロナウイルス蔓延による外出自粛により、種々の研究会への出席や資料の入手が困難になったという事情があり、それが今後の研究の進捗に影響を与える可能性は否定できない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画に沿って引き続き資料の調査や他の研究者との意見交換を実施したうえで、成果を公開していく予定である。 もっとも、緊急事態宣言による外出自粛や図書館の閉鎖により、従来通りのスタイルの研究では意見交換や資料の入手が困難になっている部分がある。何らかの代替手段により同等の効果を達成できる方策を構築する必要性に迫られている。 研究会についてはオンライン会議の方法である程度代替できそうであるが、資料の入手については個人的には対応しきれない部分もある。
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Causes of Carryover |
3月に予定されていた出張に一部キャンセルが生じたため。 今年度中に、文献の追加購入費用やテレワークによる研究の体制を構築するための費用として利用する計画である。
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Research Products
(9 results)