2024 Fiscal Year Annual Research Report
高齢投資者の保護法制に関する考察―証券会社の負う義務の視点から―
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19K01427
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| Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
萬澤 陽子 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (50434204)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 高齢投資者 / 通報制度 / 超高齢社会 / 証券会社 / アメリカ |
| Outline of Annual Research Achievements |
研究期間全体を通じて、アメリカの連邦における最新の動きも見ながら、主として州における義務的通報制度の調査を進めてきたところ、州では連邦とは異なり、同制度が積極的に活用されているわけではないように思うに至り、最終年度は、州における高齢投資者保護について、カリフォルニア州を取り上げ、同州では私人(被害を受けた高齢者およびその関係者)による責任追及(民事訴訟の提起)を容易にすることで保護を図る方向性で動いてきたこと、およびこれに関する訴訟件数も増加していることを確認した。 具体的には、カリフォルニア州には、Elder Abuse and Dependent Adult Civil Protection Actという高齢者等の保護に向けられた法がある。同法の制定当初の目的は、高齢者等に対する虐待について、義務的通報を促進させ(そして刑事責任追及につなげ)ることにあったが、1991年改正で、それが民事訴訟を提起するインセンティブを私人に与える枠組みに修正され、さらに、その後のいくつかの改正で、金銭的虐待の定義や原告適格の拡大、救済の充実化が図られ(例えば、金銭的虐待の定義について、立証が困難とされるbad faithという文言が削除されて、不当威圧(undue influence)による財産の剥奪が含まれるようになり、また、2倍賠償(double damages)を負う場合として金銭的虐待を行った場合が追加された等)、私人による責任追及を容易化する試みがなされてきた。これに伴って金銭的虐待に関する私人による訴訟提起数が大きく増加してきた。 これに対して、同法で規定する義務的通報制度に関する訴訟、すなわち通報義務違反に対する民事制裁金の賦課に関する訴訟(司法長官等限られた者のみ提起可能)は、調査した限り1件も報告されていなかった。
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