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2021 Fiscal Year Research-status Report

日米の土地環境問題における土地所有者の責任と地方自治体の役割

Research Project

Project/Area Number 19K01435
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

黒坂 則子  同志社大学, 法学部, 教授 (60441193)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords土壌汚染 / 土地所有者の責任 / 土地利用規制
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、環境問題のなかでも、不動産をめぐる環境問題について、土地所有者が負うべき責任や地方自治体の土地利用規制権限のあり方、そして地方自治体と国との役割分担などを中心に検討するものである。
まず、本年度は、下記のようにアメリカについては、土地所有者の責任を中心に本研究の主題に取り組んだほか、わが国の判例研究についてはその成果を発表することができた。具体的にはまず、「湖南市地域ふれあい公園条例に基づく公告がされたことをもって都市公園法2条の2に基づく公告がされたといえるかが争われた事例(最判令和元年7月18日判時2431・2432合併号73頁)」について検討し、これを環境法研究にて公表した。同判決は、都市公園法上の都市公園に該当するかが争点となったものであり、都市公園は各都市の基幹的な生活環境基盤施設であることから、重要な環境問題として研究の意義を有する。次に、「産業廃棄物撤去請求等を怠る事実の違法確認請求事件(前橋地判令和2年8月5日)」について検討し、その成果を公表した。同判決は、環境住民訴訟における勝訴事例の一つとしても注目される。
また本年度アメリカについては、一昨年と昨年に収集した文献を用いつつ、2020年4月20日の土壌汚染に関するアメリカの連邦最高裁判決(Atlantic Richfield Co. v. Christian)を題材に、同判決における土地所有者責任、具体的にはスーパーファンド法上の潜在的責任当事者該当性を検討し、同判決がアメリカの土壌汚染浄化政策に与える影響について考察した。これを次年度公表予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、一昨年、昨年収集した日米両国の文献と判例の動向をもとに、論文の執筆をしていく予定としていた。また本年度(もともとは初年度に渡米予定であったが、コロナ禍の影響等で今年度に変更していた)においては、アメリカにヒアリング調査に行く予定としており、昨年収集した文献に加え、アメリカでのヒアリング調査を行ったうえで研究を深化させ、その成果を公表する予定であったが、コロナ禍の影響で渡米が難しくなったため、これまで収集した資料をもとに、アメリカの土壌汚染問題について研究をすすめることとした。この点、2020年4月20日に出された連邦最高裁判決に関し、新しい判例評釈が複数存在したため、これらを主として用いて、アメリカの土壌汚染問題に関し論文を執筆し、次年度公表予定である。
また、不動産をめぐる環境問題につき、わが国の判例についても判例評釈を公表した。従って、研究自体はおおむね順調に進展しているといえる。次年度は、さらに発展的に、これまで集めた資料をもとに、日米の土地利用規制のあり方を検討していきたい。

Strategy for Future Research Activity

次年度はまず、コロナ禍が収束すれば渡米し、不動産をめぐる環境問題に関する調査を行うことができれば、それを優先的に行うこととする。ただし、渡米が難しかったとしても、Jeffrey Lubbers教授(American University)にオンラインでヒアリングするなどして、研究をさらに進めていきたいと考えている。今年度にアメリカの土壌汚染問題を検討したので(次年度公表予定)、次年度は、より広い土地利用規制のあり方について研究していきたい。また、わが国についても不動産をめぐる環境問題に関する判例等について、次年度も引き続き検討したいと考えている。

Causes of Carryover

本年度、アメリカにてヒアリング調査予定としていたが(もともとは初年度予定を延期)、コロナ禍のため今年度も渡米できず、主として旅費分が残っている。次年度が最終年度となってしまったが、コロナ禍が収束すればヒアリング等調査を行いたいと考えている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 産業廃棄物撤去請求等を怠る事実の違法確認請求事件2022

    • Author(s)
      黒坂則子
    • Journal Title

      判例地方自治

      Volume: 482号 Pages: 41-44頁

  • [Journal Article] 最近の不動産関係判例の動き<公法>2021

    • Author(s)
      黒坂則子
    • Journal Title

      日本不動産学会誌

      Volume: 136号 Pages: 133頁

  • [Journal Article] 湖南市地域ふれあい公園条例に基づく公告がされたことをもって都市公園法2条の2に基づく公告がされたといえるかが争われた事例2021

    • Author(s)
      黒坂則子
    • Journal Title

      環境法研究

      Volume: 46号 Pages: 133-140頁

URL: 

Published: 2022-12-28  

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