2020 Fiscal Year Research-status Report
サイバー空間における違法又は有害情報による被害の阻止とファクトチェック体制の整備
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19K01436
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
金 尚均 龍谷大学, 法学部, 教授 (00274150)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インターネット / ヘイトスピーチ / 名誉毀損 |
Outline of Annual Research Achievements |
インターネット上での表現について、いったんネット上に書き込みした表現は、本人自身が削除できる段階を過ぎて、いったん掲載されてしまい、他人がこれをコピーしてしまうと、本人はこれを削除又は回収できない。コンテンツプロバイダーが削除してくれない限り、掲載され続ける。情報の速報性は同時に拡散性を伴い、名誉などの法益に対する被害の深刻さと被害の継続性により被害回復が困難となる。情報が拡散し、被害が継続することの理由には、インターネット上に掲載された情報を削除することの困難さがある。情報が削除されないことは、閲覧可能な状態が継続することを意味する。これは情報が掲載されたサイトでの閲覧だけでなく、情報のダウンロード、コピーそしてペーストによっても可能であり、しかもこれらによって拡散する。被害当事者の側では、自己に関する情報がインターネット上に掲載され続けるという意味で、口頭や紙媒体による伝播可能性とは異なり、名誉などに対する現実的侵害が生じ続けるインターネット上の差別表現並び違法な表現による被害者に生じる実害を最小限にし、投稿を繰り返す発信者の侵害を止めさせ、その救済を迅速化するためには、閲覧可能な状態を除去しなければ被害が継続するというインターネット上の表現の特殊性を考慮して、まず第一に、問題となっている投稿・コンテンツを削除することが課題となる。その上で第二に、発信者情報の開示をすることが被害者救済と抑止にとって課題となる。 この2つの課題、つまり①削除の法的可能性 ②発信者情報開示の迅速性の促進について研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染状況が改善されない状況で、調査研究が十分にできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
いわゆる虚偽情報とヘイトスピーチとの関連について研究を進め、これがどのように虚偽情報がネット上でどのように流布され、憎悪感情を呼び起こすのかについて検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染状況が改善されることなく海外の出張ができなかった。そのため重要な研究調査ができなかった。 コロナ感染状況の改善を念頭に置き、ドイツ並び国連人種差別撤廃委員会のあるスイスへの調査をする
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Research Products
(6 results)