2020 Fiscal Year Research-status Report
小さな政府志向の分析:サーベイ実験による民間委託選好の実態とその規定要因の解明
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19K01443
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木村 高宏 金沢大学, 法学系, 准教授 (60377372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善教 将大 関西学院大学, 法学部, 准教授 (50625085)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 意識調査 / インターネット調査 / 政治意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はサーベイ実験に基づき民間委託を好ましく思う人はどのくらいいるのか,またどのような行政サービスを委託すべきだと考えているのか(RQ:リサーチクエスチョン1),さらにそのような意識を規定する要因は何か(RQ2)を要因配置実験(Factorial Survey Experiment; FSE)によって明らかにする(交付申請書)。 申請2年度は申請者・分担者ともに各々の研究環境を整えつつ,本研究課題に関連する研究を進めると同時に共同研究としては,ミーティングを経て,意識調査を実施した。 25問程度・2400サンプルで設計した意識調査を「政治・社会に関する意識調査」として研究2年度の2020年11月に18歳以上の全国の有権者男女を対象にインターネット調査会社にて調査を配信し,2004の回答を得ている。 当該調査は回答者のデモグラフィや政治や社会に対する回答者の考えなどに加え,民間委託等に関するサーベイ実験要素を含んでおり,「民間委託への選好に注目し,それに対する有権者の選好度合いとその規定因を明らかにする(交付申請書「研究の目的」より)」ことを目的とした本研究課題の進行に資するものである。また,「政党要因の効果が含まれていない選好を推定(同)」するため支持政党を訊ねており,申請研究期間内に複数回の調査を予定する本研究課題の2回目の調査としては初回との継続性からも概ね研究目的とその進行管理に適うものであると考えている。また,申請2年度の調査においては人びとの意識変化の要因を探る新たな項目を追加し,今後の研究の広がりの布石とすることができた。 後述の通り,申請2年度は,初年度に「政治・社会に関する意識調査」(申請2年度と同タイトル)として実施した民間委託についての意識調査をもとに共著論文を執筆し,現在掲載審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請計画に関連した論文は公表されていないが現在査読を経て掲載審査中である。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね当初の計画に沿って進める。研究計画上は次回の調査として2021年度のサーベイ実験が予定されているが,2020年度に引き続き,新型コロナウィルスとそれへの政治行政の対応の影響によって大きな状況の変動が予想される。このことについては一定の配慮が必要と考えている。 後述の通り,申請2年度の執行額が当初想定した予算よりも少なく抑えられたため,その差分も活かしながら必要に応じて新たな(当初の研究計画にない)調査を行い本研究の精度を高めることも可能であると考えている(未定)。
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Causes of Carryover |
意識調査の内容の見直し等により使用額が当初予定より増したものの,政治状況に応じた意識調査の増加も見据えて機器更新を見送ったため結果的に総額で残額が生じた。2021年度は調査を精緻化することを検討している。
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