2021 Fiscal Year Research-status Report
町村議会議長会未公開資料群データインフラストラクチャーの構築と研究
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19K01447
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
田口 一博 新潟県立大学, 国際地域学部, 准教授 (20376411)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 町村議会議長会 / 議長会プロパー職員 / 自治会館 / 議員個人データ / 議員名鑑 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も新型コロナウイルス感染症の影響により、当初予定していた議長会未公開資料調査・インタビュー等を行うことができず、許可を得て2022年度まで研究期間を延長することとした。 2021年度までに収集した資料により判明したことの大要は次のとおりである。 1)議長会未公開資料のうち、一年度間の議長会の活動内容を記録している「業務報告書」は、議長会自体が法人ではなく任意団体であるため、法的な公開義務はないが、資料提供・公開について、否定的な考えを持つ都道府県域町村議長会はないようである。 2)平成の合併以降、町村数が激減したため、多くの都道府県域議長会では町村長部局の「町村会」や、当該都道府県内の市町村が共同して設置する一部事務組合(法人;特別地方公共団体)、また、旧財団法人として設置され、議長会や町村会、一部事務組合等の事務所が置かれる「自治会館」等との統合が進んでいる。1)で挙げた業務報告書は都道府県域町村議会議長会の事業と予算・決算等が明確に記載されているが、実務を行っている職員の給与・諸手当や、事務所の設置・維持にかかる経費がどのように負担されているかはそれぞれの都道府県の事情によって大きく異なっている。そこから、プロパー職員がどのようなキャリアを形成するかも多様であることが改めてわかり、新たに解明すべき課題として浮かんできた。 3)議長会未公開資料に含まれる議員個人の情報は定期的に刊行されてきた「名鑑」の情報等を接合させることでかなりのところまで経歴を追うことができた。しかしある都道府県等に絞れば作業的に追うことはできるが、全国の全数ということになると、戦後分すべてでは30万人を超える可能性があり(先行研究は存在しない)、新たな共同研究を起こさないと解明は難しい。 4)以上の内容について、2021年5月の日本行政学会、6月の日本公共政策学会の研究大会で報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、研究の前提となる資料収集活動を行うことができなかった。 既収集分資料の分析を進めたが、さらなる資料調査、インタビュー等を行うことが必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症がやや、落ち着きをみせてきており、2022年度中・後期は都道府県域議長会への訪問調査等を行うことができる可能性が出てきている。感染症防止対策を十分に講じ、可能な範囲で資料調査等を進めたい。 また、長時間の資料調査やインタビュー等の実施が引き続き困難な状況が続く場合は、収集した議員名鑑によるデータセットを構築することで研究に区切りを付けざるを得ないことも考えられる。改正された新しい個人情報保護制度の運用に十分注意した上で、議長会の活動や議長会資料により解明できることについて、公開利用可能なデータから検証できることがらを引き続き発信し、また、研修等を通じて実務界にも還流させていこうと思う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により当初予定していた資料調査・インタビュー等を行うことができず、許可を得て2022年度まで研究期間を延長したため。
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