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2022 Fiscal Year Research-status Report

町村議会議長会未公開資料群データインフラストラクチャーの構築と研究

Research Project

Project/Area Number 19K01447
Research InstitutionUniversity of Niigata Prefecture

Principal Investigator

田口 一博  新潟県立大学, 国際地域学部, 准教授 (20376411)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords地方議会 / 議会先例 / 会議規則 / 議長会
Outline of Annual Research Achievements

予定していたインタビューや都道府県域議長会における現地資料調査を行うことができず、公刊されている資料の調査・整理や収集した資料の分析等を中心に行った。
地方六団体は戦後の(再)設立当初、国からの独立性を保つため根拠法や法人としての「認可」等を経ること等が避けられた。地方六団体を構成する都道府県域、郡域等の議長会・市町村会も同様である。その考え方は現在に至っても引き継がれており、本研究が対象としている都道府県域町村議会議長会・全国町村議会議長会いずれも任意団体である。団体としての業務の執行は概ね現行の公益財団法人と同様の方法で行われているため、ほぼ同じ業務報告書が作成され、その上では比較することができるが、業務報告書や諸統計からは読み取れない実態が明らかになった。平成の市町村合併以降、町村数・町村議会議員数が激減したため、多くの郡域町村議会議長会は解散・吸収され、また、都道府県域町村議会議長会も規模を大幅に縮小することを余儀なくされた。解散等をした都道府県域議会議長会はないが、都道府県ごとの状況により、形式的には町村会とは独立しているが、職員給与や事業費は町村会負担としている例(新潟県、兵庫県等)、議長会専任の職員が置かれているが、財務や施設、事業等は首長部局の町村会と事実上一体として運用される例(京都府、高知県等)や、議長会専任の職員は置かれず、町村会職員が議長会の事務を兼務する例(秋田県、徳島県等多数)等である。
独立性を保つため、議長会等の財務は各市町村議会からの負担金と「自治会館」等を構成団体の共同出資で設立し、その賃貸収益等を運用に充てててきた(自治会館の設立は占領政策による)。しかし昨今はそれが難しくなっていることから、人件費は町村会が負担し、事業費は宝くじ収益金による一般財団法人全国市町村振興協会の「市町村関係四団体活動事業」に依存しているのが実態である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

事業計画書等に記載されていないことをインタビュー等によって明らかにしたいと計画した本研究であるが、新型コロナウイルス感染症対策のための行動制限により、最初に行うべきインタビューを全く行うことができなかった。そのため、資料収集等代替的な研究を続け、議長会と町村会との関係、また、独立した事務局を持つ都道府県域町村議会議長会と、独立した事務局を持たず、構成する市議会事務局の一が事務局を担う都道府県域市議会議長会との比較等を行ってきた。
議会運営の研究・指導の主体として、議長会のプロパー職員やそのネットワークの重要性は変わらない。しかし議長会を支えてきたプロパー職員が減少し、さらに次世代がほとんど育っていない。それは議長会を維持するための独立した安定財源が極めて乏しいこと、さらに行政学関係者の議長会・議会制度そのものに対する無理解に基づく非難も見逃すことはできない。
2022年中に全国町村議会議長会等が永年要望してきた議会・議員活動の明確化に関する地方自治法改正が行われた。その改正に至る経緯等の資料収集を当初の計画に加えて行ったこと等が、研究期間延長1年目の2022年度の主要な成果である。
一方、当初明らかにしたいことであった、議長会プロパー職員による議会運営に関する先例の整理、対処策の協議決定については、対面での会議が行われなくなり、書面の交換と電話・電子的会議でのやりとりが主となったようである。対面による会議と異なり、個々の構成員間の直接のやり取りは記録化されにくい。コロナ対策の影響がこのような面にも出ているが、2022年・23年の地方自治法改正と23年度の全国町村議会議長会編『議員必携』の編集とりまとめ過程等の検証を続けていく。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウイルス感染症により、計画していた都道府県域町村議会議長会への訪問調査や関係者へのインタビュー等は行動制限が緩和された2023年に入ってからは議会開催の繁忙期にあたるため、2022年度も行うことができなかった。そのため、研究期間の再延長を申請し、認められたため、残余の計画は2023年度夏季を中心に進めることとしたい。
もっとも、訪問調査やインタビューは最初の問題発見のためであり、そこで発見された問題を検討していくことは、本研究の残り1年では不可能である。そこでこの間、長足の進歩をみた音声反訳の技術を活用してインタビュー等をそのまま文字化し、それに解説を付して公開し、広く研究材料とすることを積極的に進めて行くこととしたい。

Causes of Carryover

研究計画を再延長し、2023年度において訪問調査等を行うため、旅費及び人件費・謝金を残している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023

All Journal Article (2 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] 議会現代化・世界標準化覚え書き2023

    • Author(s)
      田口一博
    • Journal Title

      自治日報

      Volume: 6月20日号 Pages: 3

  • [Journal Article] 「多様な人材を確保」するために2023

    • Author(s)
      田口一博
    • Journal Title

      自治日報

      Volume: 1月16日号 Pages: 3

  • [Presentation] 地方議会資料における会議録の意味とアーカイブズ学との関係 ──「書く会議録」は今日、有効か?──2023

    • Author(s)
      田口一博
    • Organizer
      日本アーカイブズ学会2023年度研究大会
  • [Presentation] 議員のなり手問題対応のための政治過程2023

    • Author(s)
      田口一博
    • Organizer
      日本政治学会2023年度研究大会
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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