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2021 Fiscal Year Research-status Report

公教育と社会活動を通じた政治統合の日加豪3ヵ国比較研究―流動化する時代の政策対応

Research Project

Project/Area Number 19K01464
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

加茂 利男  立命館大学, 衣笠総合研究機構, プロジェクト研究員 (80047357)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 加藤 雅俊  立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (10543514)
新川 敏光  法政大学, 法学部, 教授 (30216212)
徳久 恭子  立命館大学, 法学部, 教授 (60440997)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords福祉国家 / 日本型システム / 政官関係 / 55年体制 / 族議員 / 政治主導
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,経済のグローバル化と脱工業化により第二次世界大戦後の先進諸国の政治経済社会秩序とされた「国民国家―代議制民主主義―福祉国家」システムが動揺する中で,新たな政治統合や社会統合がどのように進められようとしているかを明らかにしようとするものである。研究代表者と分担者は,この目的に則して比較対象となるカナダやオーストラリアでの調査を企図してきたがそれが難しい状況が続いている。そこで,2020年度から研究の補助線として新たに導入したオーラルヒストリー研究を通じた日本型政治システムの再検討という研究を2021年度も引き続き実施した。
福祉国家の時代の政治統合は,経済成長を背景にした分配と再分配により中間層を分厚くすることで実現したが,そのあり方は国ごとに異なる。福祉国家化の遅れた日本では,雇用レジームが福祉レジームを代替したといわれ,それらは自民党の利益誘導政治と親和的であったともいわれる。すなわち,ここでは,福祉国家化のタイミングと代議制民主主義のあり方(議院内閣制/中選挙区制)から「日本型」福祉国家の特性が説明されるわけであるが,それは,統治システム(立法・行政・司法)の一部に焦点を当てるものであり,福祉国家の重要な担い手である官僚への注目が不十分にとどまる。
本研究では,福祉国家の問題を政官関係ひいては三権(統治システム)と結び付けて再検討することを試みている。具体的には,福祉国家の形成期と再編期に厚生行政にかかわり,また内閣官房でのキャリアも重ねた元厚生次官・内閣副官房長官の古川貞二郎氏に聞き取り調査を重ね,先行研究では十分に解明されなかった官房政治に着目して,福祉国家の形成と再編を説明しようとしている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究代表者の健康上の理由から研究の進捗に遅れが生じている。
研究そのものについては,COVID-19の影響で海外調査の実施ができない状況が続いている。コロナ禍の下で研究体制の見直しを迫られ,2021年度はオーラルヒストリー研究を主軸とした。聞き取り調査は,研究分担者の加藤と德久,研究協力者の稲垣浩を中心に進めているが,ここにおいてもCOVID-19の影響から自由でなく,聞き取り調査の中断と再開という進行を余儀なくされた。
このため,最終年度内の完結は難しく,研究年度を一年延長したことから「遅れている」と評価している。

Strategy for Future Research Activity

日本型政治システムの特徴を明らかにするには,比較の観点が欠かせない。そこで,研究分担者の新川と加藤は比較政治(理論研究)の立場から福祉国家の研究を進める。一方,徳久は公教育やコミュニティ政策を通じた政治統合・社会統合の問題を引き続き検討する。福祉国家再編期には,政府間関係における再集権化と分権化が進む傾向が強いが,教育とコミュニティ政策はそうした特徴が端的に表れやすい。事例分析を通じてこれらを丹念に検討し,新川・加藤が中心に進める理論研究と照応させながら,研究成果の発信に努める。
これと並行して,2020年度から実施している古川貞二郎氏の聞き取り調査(オーラルヒストリー)を完結させる。
総体として,日本型政治システム(日本型福祉国家/55年体制)とは何か,福祉国家の再編と政治・行政改革が本格化した1990年代以降,それらはどのように持続/変質したかを明らかにすることで,福祉国家研究に貢献したい。

Causes of Carryover

COVID-19の影響により当初予定していた海外調査・国内調査が実施できず,旅費として計上していた予算や,調査に関わる人件費等が執行できなかったため,次年度使用額が生じている。2022度は計画的に調査を行うのみならず,研究成果の発信のための費用として執行する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021

All Journal Article (4 results) (of which Open Access: 2 results)

  • [Journal Article] 「書評 政治制度論」2022

    • Author(s)
      加藤雅俊
    • Journal Title

      『年報政治学2022-Ⅰ』

      Volume: 2022-Ⅰ Pages: 29-33

  • [Journal Article] 「ケア空間の再編:地域に女性を取り戻すことは可能か」2022

    • Author(s)
      德久恭子
    • Journal Title

      『立命館法学』

      Volume: 399・400号 Pages: 592-627

    • Open Access
  • [Journal Article] 「諫早湾干拓事業に関する地域住民の認識:アンケート調査から見えること」2021

    • Author(s)
      加藤雅俊、樫澤秀木、開田奈穂美
    • Journal Title

      日本環境会議編『諫早湾干拓問題検証委員会報告書』

      Volume: - Pages: 148-160

  • [Journal Article] 「人口減少社会における公共サービスのあり方:上越市における住民へのアンケート調査を手がかりに」2021

    • Author(s)
      德久恭子
    • Journal Title

      『立命館法学』

      Volume: 398号 Pages: 421-457

    • Open Access

URL: 

Published: 2022-12-28  

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