2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K01474
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
出水 薫 九州大学, 法学研究院, 教授 (20294861)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本 / 自治体 / 政治過程 / 原発 / 再稼働 / 政治学 / 選挙 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)申請段階から準備していた論文「原発再稼働問題と地域政治-川内原発の事例を通じて」、大曽根寛・森田慎二郎ほか編『福祉社会へのアプローチ 久塚純一先生古希祝賀』上巻、2019年、51-83ページを公刊した。 (2)当該年度は、研究計画調書に記した対象となる三事例(川内原発、伊方原発、玄海原発)のなかで、もっとも調査が遅れていた伊方原発の再稼働過程について、愛媛県松山市の図書館などで新聞資料など収集し、集中的に検討をおこなった。 (3)また、それら三事例における県知事選挙への影響について、上記伊方原発関連の資料収集に加え、佐賀県佐賀市および鹿児島県鹿児島市の図書館などで新聞資料などを収集し、検討をおこなった。 (4)以上の調査・研究をもとに、二度の口頭報告をおこなった。具体的には、①「伊方原発再稼働をめぐる地域政治過程の検討」、九州政治研究者フォーラム、審査なし、2019年9月7日(大分県由布市)と、②「知事選挙における原発再稼働問題の影響-3事例からの比較検討-」、九州大学政治研究会、審査なし、2019年11月16日(九州大学伊都キャンパス法学研究院大会議室)である。 (5)上記(4)の①の報告にもとづき、日本地方政治学会の学会誌に投稿をおこなったが、査読の結果の修整が間に合わず、掲載にはいたらなかった。その後、その原稿を査読での指摘を受けて再構成し、伊方原発再稼働に関する論文「伊方原発再稼働への同意をめぐる自治体政治過程の事例分析」として『法政研究』に投稿し、現在査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、新聞資料などを中心に計画書に記した三事例(川内原発、伊方原発、玄海原発)の調査を進める予定で、計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)当初の計画による三事例への調査・検討を進めた結果、さらに福井県所在の二つの原発の事例とも比較対象し(これにより再稼働事例の全数比較となる)、かつ知事の不同意で再稼働ができていない柏崎刈羽原発の事例を加えることで、より適切に分析できる見通しがついたので、研究計画の対象を拡大させる。 (2)ただ、新型感染症の影響でインタビュー調査および現地での資料収集に困難が生じるので、文献調査と、地方紙などのインターネット紙面を活用して、最大限、可能な調査を進めることにする。
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Causes of Carryover |
物品費(図書)の購入費用が当初計画より膨らみ、旅費が足りなくなるおそれがあったため、他の経費から旅費を補填した結果、計画通り調査などをおこなったにもかかわらず、旅費の分が未使用となった。 なお残額は、すでに述べたように、次年度より調査対象を拡大するので、地元新聞(ウェブ版)の購読など資料収集の費用に充当することとしたい。
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