2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K01480
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
矢尾板 俊平 淑徳大学, コミュニティ政策学部, 教授 (10510951)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新型コロナウイルス感染症対策 / 自治体のデジタルトランスフォーメーション / 首長選挙 / リビングラボ / 地方創生戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、2015年度以降の首長選挙に関するデータベースの作成を進めるとともに、第1期の地方創生事業に関する検証を行った。特に、総務省『住民基本台帳人口移動報告』に基づき、地方創生事業の目的として設定されている「東京圏への一極集中の緩和」が、5か年の地方創生事業を通じて、どのように変化したのか、ということについて確認するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響により、人々の社会移動の状況の変化について整理した。これまでの自治体等との意見交換を通じて、移住・定住の促進には、テレワークやリモートワークの普及が必要であることが議論されてきたが、今般の新型コロナウイルス感染症の流行の影響により、急速に、民間企業においてテレワーク・リモートワークが普及されたことにより、人々の不動産購入における選好も変化したことが、2020年の東京への転入超過の減少につながっているものと考えられる。 また、第2期の地方創生事業の計画を踏まえ、自治体のDX(デジタル・トランスフォーメーション)や新型コロナウイルス感染症対策についても整理した。このことは、政策の需要者側の視点に立てば、住民の「時間を戻す」効果により機会費用を減少させることが考えられる。この点で、自治体のDXは、住民サービスの向上につながるものと考えられる。 さらに、公民連携や共創の考え方も整理し、地方創生事業の先進事例についての調査を進めた。 一方、自治体のインタビュー調査については、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴う緊急事態宣言の発出等により、都道府県をまたぐ移動の自粛が要請されていたため、出張ができなかった。新型コロナウイルス感染症の影響は、2021年度も続くものと考えられるので、この点については、工夫を検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1期地方創生施策の評価に係る研究については、概ね結論を得ることができた。特に、人口移動の問題については、データに加え、新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、社会環境が変化したことにより、人々の人口移動の要因等も改めて確認できた。その中で、今後の地方創生施策の課題についても整理することができた。 選挙に関するデータベース作成も進んでいる。特に、首長選挙に関するデータベースについては、2021年に入っての結果も更新している。 これまでの研究成果も踏まえ、研究論文の作成作業も進めており、2021年度においては、これまでの研究成果に基づく研究成果を報告していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、選挙データベースの作成作業を進めるとともに、再度、WEBモニター調査を実施し、本研究課題の結論を得るための研究の取りまとめ作業を進めていく予定である。 課題は、当初予定していた自治体(特に政令指定都市)へのインタビュー調査である。新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴い、緊急事態宣言が発出される等、都道府県をまたぐ移動の自粛が要請されている。今後、新型コロナウイルス感染症の流行の状況により、予定しているインタビュー調査が実施することができるかの見通しが持ちにくい。インタビュー以外の方法で、自治体の直接の意見を聴くことも検討しているが、いずれにしても工夫が必要である。 これまでの研究成果に基づき、論文等も公表していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、インタビュー調査等の出張を実施することができなかった。また、同様の理由により、データベース作成協力者に依頼せずに、自身で作業を進めたため。次年度においては、協力者に作業を依頼することで、データベース作成作業をさらに加速させたい。また、インタビュー調査等の出張に関しては、次年度も新型コロナウイルス感染症の影響の見通しが持てないため、WEBモニター調査等に切り替えて、研究を推進していきたい。
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Research Products
(3 results)