2020 Fiscal Year Research-status Report
Religion, Liberalism, and Democracy: New Challenges and Perspectives
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19K01481
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
木部 尚志 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10310327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 眞 国際基督教大学, 教養学部, 名誉教授 (10171943)
苅部 直 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00261941)
宇野 重規 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (00292657)
高田 宏史 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (20513469)
千野 貴裕 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (00732637)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 世俗化論 / 世俗主義論 / 政治と宗教 / 政教分離 / リベラリズム / デモクラシー / 西洋と非西洋 / 近代 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、コロナ禍の影響で計画していた海外招聘が実現しなかったものの、プロジェクト参加メンバーが、それぞれの個別的研究課題の取り組みを進めることができた。
その成果として特筆すべきは、国際基督教大学キリスト教と文化研究所主催のシンポジウム「近代とキリスト教:チャールズ・テイラー『世俗の時代』」(2021年2月20日)にて、本プロジェクトのメンバー3名が基調講演者および討論者として参加したことである。千葉眞が基調講演「近代西洋の光と影:テイラーの世俗化論から見えてくるもの」を行い、木部尚志と高田宏史が討論者として登壇した。他のメンバーも参加できるオンラインシンポジウムであった。
さらに、ほとんどのメンバーが、本プロジェクトに関係する研究を共編著および論文の形で本年度中に発表しており、プロジェクトが順調に進捗していることを示している。特筆すべき研究実績として、共編著では苅部直『日本思想史事典』(丸善出版、2020年)、論文では木部尚志「宗教」(『ハーバーマスを読む』ナカニシヤ出版、2020年)、同上“Myth-Making and Benevolent Politics in Japanese Political Modernity: Inoue Kowashi on the Statecraft of Political Myth" (History of Political Thought, vol. 41 (3), 2020), 千葉眞「南原繁における『宗教と政治』:ナチズム批判と価値並行論を中心に」(『思想』2020年12月号)、宇野重規「松本礼二・丸山眞男・トクヴィル」『比較文化』第16巻(2021年)が挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトの進捗状況については、コロナ禍による影響があったものの、おおむね順調と判断できる。研究プロジェクトの第2年目の課題である、各研究分担者の研究計画に関わる文献を渉猟する基礎的作業を進めつつ、部分的成果を示すことができた。研究業績は、部分的成果という課題が達成されたことを示している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、おもに4つの点で推進してゆく。第1は、2020年度と同じく、研究分担者がみずからのプロジェクトをさらに進めることである。第2は、研究会による発表の機会をもうけて、プロジェクト全体の方向性の確認と総合化を図ることである。第3は、国内外の研究者を招聘してレクチャーをしてもらい、メンバーの知見を深め、議論を通してプロジェクト全体を推進させることである。第2と第3の方策においては、オンラインを活用する方向である。第4は、共同研究の成果を公開する具体的な方法(出版方法および出版社)について、議論を開始することである。
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Causes of Carryover |
フランスから研究者を招聘する予定であったが、コロナ禍の影響で取りやめとなったため、使用額が計画とは異なることになった。この分の予算は、引き続き海外からの招聘の目的で今年度も使用する計画である。
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