2020 Fiscal Year Research-status Report
大規模災害時に対応した「市民防災」体制の構築に関する研究
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19K01485
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
牛山 久仁彦 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (30308704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸田 雅治 神奈川大学, 法学部, 教授 (10635460)
飯嶋 曜子 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (20453433)
田村 達久 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (60304242)
山岸 絵美理 大月短期大学, 経済科, 准教授(移行) (60756625)
三浦 正士 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 助教 (90836355)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 市民防災 / 東日本大震災 / 自治体行政 / NPO / 消防団 / 自治会 / 市民活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、市民防災に関する理論的・実証的な研究を進めるため、主に海外の事例調査・研究を進め、これまでに蓄積してきた国内の事例や理論的な研究との結合を行うことが予定されていた。しかし、世界的な新型コロナ感染拡大により、海外渡航が困難となり、海外事例調査を行うことができなかった。さらに、度重なる非常事態宣言などの発令により、国内における調査も困難を極め、ヒアリング対象である自治体がコロナ対策に追われていることもあり、全体的に調査・研究を進めることができなかった(熊本地震被災地におけるヒアリング調査など、一部は実施)。 そこで、この期間には、文献調査に主眼を置いて調査資料の収集、文献のサーベイに注力することとし、研究メンバー各自で文献・資料の収集および分析を行った。また、オンラインなどで自治体担当者にヒアリングを行うとともに、東日本大震災などの反省をもとに、今後の激甚災害が予測される地域で、どのように市民防災体制が構築されているのかについて、情報収集を行い、データとして整理した。今後は、こうしたデータを整理し、全国的な市民防災への取り組み状況を把握する。 海外事例調査については、新型コロナ感染の状況を見据えて、年度内に実施することをめざすが、感染拡大の収束が見込めない中で、実施の見通しは不透明である。海外事例の収集についての工夫や、最終年度の取りまとめに向けた方向性を検討していくこととしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染の拡大により、海外事例調査を実施することができず、市民防災に関する海外の先進事例についての情報収集を行うことができなかったことによる。さらに、国内においても、緊急事態宣言の発令等により、ヒアリング調査を実施するための移動ができず、当初予定していた調査ができなかった。 一方、本来であれば、研究会メンバーによる研究会を実施し、意見交換などを実施すると共に、論点整理や研究の深化を進めたいところであった。しかし、同上の理由から、会議を開催することができず、一部メンバーのオンラインによる会議実施にとどまったことも研究が遅れている理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
災害が多発する日本において、自治体をはじめとする行政の対応が重要であることはいうまでもないが、財政危機や少子高齢化が進展する中で、市民みずからによる防災への取り組みは急務であり、早急に市民防災体制を構築することが求められている。さらに、研究の遅れにも大きな影響を与えている新型コロナの感染拡大は、日本社会の危機対応に大きな課題を突き付けるものであり、政府の対応とあわせて、市民の自発的な感染拡大への対応が求められている。 こうした状況をふまえ、当初からめざしていた市民防災体制の構築に向けた研究に加え、新型コロナ対策等における市民の自発的な対応についても、市民防災の観点から議論を進めていきたい。今後の新型コロナの感染拡大の状況にも影響を受けることは否めないが、海外事例調査や国内ヒアリングなど、調査・研究の実施が可能な状況が生まれ次第、こうした視点も含めて、研究を進めていきたいと考えている。 東日本大震災から10年が経過する中で、再び当時の状況下で、被災地住民がどのように行動したのか、効果的な市民防災体制を構築できるのかが議論されてきている。そうしたことについての情報収集や住民と行政の協働事例などを蓄積し、さらに、海外事例の調査を実施していくことで、研究の豊富化を図って最終年度の政策提言に向けた研究の蓄積を行っていくものとする。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大により、海外調査が実施できず、国内調査の実施についても非常事態宣言等により制約があったため、それらを次年度に先送りし、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)