2022 Fiscal Year Annual Research Report
科学技術はいかなる条件下で「パワー」の生成につながるのか―意思決定プロセスの解明
Project/Area Number |
19K01497
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
齊藤 孝祐 上智大学, 総合グローバル学部, 准教授 (40721436)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イノベーションエコシステム / 新興技術 / 安全保障 / 経済安全保障 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の最終年度となる2022年度は、昨年度に引き続きオープンソースに基づく調査を進めつつ、成果全体の取りまとめと成果公開を中心に活動を実施した。 第一に、安全保障分野において先端技術や科学知の利用が進む過程において、とりわけAIをめぐる米国のイノベーションエコシステムの問題を取り上げ、利用推進のための動機と参加アクターの多様性ゆえに生じる制約とのバランスの構造を明らかにした。また、戦後から現在に至るまでにの期間を対象に、日本における科学技術と安全保障の関係をめぐるいくつかの問題を整理しなおし、科学技術が徐々に軍事および経済安全保障の観点から政策の主題となってきた背景と課題について分析を進めた。さらに、とりわけ近年の経済安全保障問題の観点から、米国の技術規制関連立法や日本における経済安全保障およびサプライチェーン保護の問題を取り上げ、当該国と影響関係について検討を行った。 第二に、これらの調査で得られた知見について、引き続き複数の関連学会および研究会で報告を行い、関連研究者からフィードバックを得ることで知見の妥当性の検討につとめた。また、いくつかの実務家コミュニティや政策関連の研究会に所属する機会を得て、本プロジェクトにおける学術的な分析と現実の課題との整合性を確認する作業を行った。 第三に、昨年度の引き続き、一般向けのメディアやウェブ媒体、公開ワークショップ等への参加を通じて研究成果のアウトリーチを実施した。 第四に、4か年の研究成果をふまえて、次なる研究課題の提案に向けた学術的問題の検討を実施した。
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