• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

What Caused the Collapse of the Washington Treaty System in the Interwar Years: Commitment Problem and International Order

Research Project

Project/Area Number 19K01499
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

中谷 直司  帝京大学, 文学部, 准教授 (70573377)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywordsワシントン会議 / 新四国借款団 / 国際秩序 / 平和的秩序変更論 / 戦間期 / ワシントン体制 / 日米関係 / 日英関係
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、1921-22年のワシントン会議における国際交渉・協定を基軸として、アメリカ・イギリス・日本の主導で形成された第一次世界大戦後の東アジア秩序の脆弱性の原因を、主催国のアメリカの外交的指導力の信頼性の低さという観点から分析することを目的としている。
以上の目的を持つ研究計画の4年目となる2023年度は、第一に、コロナ禍の影響で滞りがちであった未公刊資料(とくにアメリカの外交文書などの政府文書)の収集を前年度から継続して実施し、整理と読解を進め、ワシントン体制の形成をめぐる国際関係の再検討をすすすめた。その際には、本科研と並行して参加した日本海軍をめぐる共同研究の成果も重要な意味を持った。
以上と並行する形で、第二に、ワシントン会議ワシントン体制の全史となった対中国際借款団の結成過程についても、近年新たな研究が発表されているので、その内容の妥当性について一次資料の再検討をしつつ検証を行った。
さらに、第三に、他の科研費による研究プロジェクトと連携する形で、本研究の分析枠組となっている国際秩序論についても、現代国際関係研究における戦争原因論と戦間期の平和的秩序変更論との共通性に注目し、両者が時代を越えて抱える課題について検討を進めた。
以上の作業のうち、第一のワシントン体制の形成をめぐる国際関係については、学術論文集にワシントン会議の限界の原因を再検討する論考を寄稿した。さらに、ワシントン会議後の日本外交について、経済的相互依存を政策的に追求したとされる通説的評価を再検討する必要を説く論文を発表した。第二の新四国借款団交渉については、最新の研究の主張を一次資料を踏まえて批判的に検討する学会発表を行った。第三についても、関連学会の国際秩序をめぐる政策決定を統一テーマとする分科会で学会発表を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナ禍で当初3年にわたって国内外(とくに海外)で資料調査を実施できなかった影響が現在も続いており、本研究の根幹を占める日米英の政策文書の検討が遅れがちである。公刊資料および二次文献の検討で補ってはきたものの限界があり、このため研究期間も1年間延長した。このため、「やや遅れている」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

未公刊資料の収集は依然として十分ではないが、とくに日本およびアメリカ側の資料については相当の収集ができたので、分析作業に集中して取り組む。以上の二ヵ国に並ぶ重要アクターであるイギリス側についても、公刊資料および従来収集した未公刊資料を組み合わせて、二ヵ国と同等の分析精度を維持するように努める。さらに、為替の状況で滞在期間に非常の制約を受けそうだが、本年度中にもう一度アメリカもしくはイギリスで未公刊資料調査を実施する。その上で、単著書籍として本研究の成果をできるだけ早期に公刊することを目指す。

Causes of Carryover

コロナ禍で当初3年間に海外資料調査を実施できず、国内の資料調査や公刊資料の収集、国内機関でのマイクロフィルム資料等の閲覧で補ったものの、海外での資料調査の実現に備えて予算を計画的に繰り越してきた。前年度に一度、アメリカで実施できたものの、やはり当初3年間の穴を埋めるには不十分であった。さらにこうした事情が研究計画全体の進捗を遅らしており、期間を1年間延長することとした。これらの事情により次年度使用額が生じた。

  • Research Products

    (5 results)

All 2024 2023

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 外交の「経済化」は可能だったのか2024

    • Author(s)
      中谷 直司
    • Journal Title

      経済史研究

      Volume: 27 Pages: 51~76

    • DOI

      10.24712/keizaishikenkyu.27.0_51

    • Open Access
  • [Journal Article] (文献案内)「クリストファー・ソーン『満州事変とは何だったのか』」2024

    • Author(s)
      中谷直司
    • Journal Title

      赤木完爾、国際安全保障学会編『国際安全保障がわかるブックガイド』

      Volume: なし Pages: 218~219

  • [Journal Article] 何がワシントン会議の「限界」をもたらしたのか──国際政治の意図されざる結果2023

    • Author(s)
      中谷直司
    • Journal Title

      兒玉州平・手嶋泰伸編『日本海軍と近代社会』吉川弘文館

      Volume: なし Pages: 38~74

  • [Presentation] 新四国借款団交渉における満蒙除外問題の再々検討──熊本史雄氏と久保田裕次氏の最新成果を踏まえて2023

    • Author(s)
      中谷直司
    • Organizer
      東アジア近代史学会 2023年度研究大会(第28回)
  • [Presentation] 「平和的な秩序変更」の理論は政策決定の規範的な枠組となり得るか2023

    • Author(s)
      中谷直司
    • Organizer
      日本国際政治学会2023年研究大会、分科会E-4(政策決定分科会II)

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi