2020 Fiscal Year Research-status Report
安全保障政策の変更をめぐる諸国家の戦略的相互作用に関するゲーム理論的考察
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19K01504
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岩波 由香里 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (40635447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗崎 周平 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (70708099)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 同盟 / 負担分担 / 軍備拡張 / 安全保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルスの影響もあり、授業準備などで研究時間が削られたこと、また海外の学会で発表する機会がなくなったことにより、フィードバックを頂きにくくなったことで、研究の進展が遅れている。それでも、オンラインでの発表を通して、討論者やフロアから数々の有益なコメントを頂き、それらを基にモデルの改良を行うことできた。モデルについては、問題点を克服できただけでなく、当初想定していなかった分析結果を得ることができたため、時間はかかっているが、成果は大きいといえる。
同盟の論文は国内外の2つの学会(と一つのインフォーマルな報告会)で発表をする機会を得ており、討論者とフロアからいただいたコメントを基に修正を行うことができている。これによって、当初抑制の効果だけに重きを置いていたが、抑止の部分の重要性にも気づくことができ、研究としては望ましい方向に進展している。また、抑止の研究の基礎となる軍拡の論文は、第一草稿に改良を加えた第二草稿を完成させたうえで3つの研究会(内一つは共著者による発表)と1つの学会で発表することができた。オンラインでの発表においては、他の研究者と活発な意見交換を行うことは容易くはないが、主にフロアから頂いた有益なコメントを基に、モデルにはさらなる改良を加えることができた。
いずれの論文も、モデル部分においてかなりの進展が見られたが、大学の規程により出張ができず、資料収集が必要な事例研究において遅れがでている。数多くの論文や著書の精読を通して、モデルと整合性のとれた事例研究を行うように努めてはいるが、今後出張が可能になれば専門家との意見交換を通して、改良を行っていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば、同盟の論文は昨年度末までに投稿予定であったが、モデルの結果が当初想定していたものよりもさらに興味深いものになってきたので、もう少し時間をかけてモデルの確認を行う必要が出てきた。また、新しい発見に基づいて、より丁寧な事例研究を行うために、もう少し時間が必要である。軍拡の方は、モデルはだいぶ出来上がってきたが、資料収集が困難であるため、事例研究に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
同盟の論文は、分析を終わらせて、今年度中に海外の雑誌に投稿予定である。軍拡の論文は、モデル部分と事例の整合性をとった上で改良を行い、国内外の研究会で発表をした後で、来年度中には投稿できるようにしたい。いずれも事例研究は、より多くの文献の精読を通して、また歴史を専門としている研究者との意見交換の場を持ち、改良を図る予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響を受けて、報告や資料収集を目的として国内外に出張ができなくなったため、旅費を次年度に回さざるを得なくなった。感染予防のために勤め先の大学に行くことですら困難になり、頻繁にILLを使用することもできなくなった。
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