2021 Fiscal Year Research-status Report
東アジアにおける人の流れ-振武学校・陸軍士官学校への留学生達の国際関係史
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19K01508
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
浜口 裕子 拓殖大学, 政経学部, 教授 (20192536)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中国人留学生 / 日露戦争 / 軍事留学 / 成城学校 / 陸軍士官学校 / 振武学校 / 中国東北部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、明治期に日本に留学した主として中国人留学生に関してその留学体験の内容とその後の彼らの動向を追い、それが東アジア国際関係史に与えた影響と意義を考察する。 明治維新を経て、日清戦争・日露戦争を経験し国際的地位を向上させていった日本は、東アジア近隣諸国にとって、近代化のモデルの一つとなっていた。特に軍事的な近代化は、中国や朝鮮にとって、喫緊の課題であり、日露戦争直後には、日本がロシアに勝利した事実から、10年前の日清戦争で日本に敗れた清国が日本への軍事留学を望んだ。そうすることで自国軍の早急な近代化実現に拍車をかけることを考えたのである。結果的に日露戦争直後の時期に中国から留学した者から、その後の東アジア国際関係史に大きな足跡を残す軍人、政治家が多数出た。この事実を踏まえ、本研究では、陸軍士官学校と、その予備校的存在であった振武学校、成城学校に留学した中国人学生を中心に追っている。中でも、日露戦争を経て日本が関係を深めた中国東北部からの留日学生を取り上げ、その軌跡を追うことを研究の主軸にしている。 当該年度は本研究の3年目にあたり、収集資料の整理を進めつつ、これまでの研究を整理し、研究体制の整備を進めていくことが課題であった。ただし、未だ続くコロナ禍にあり、行動範囲が制限され、資料収集は思うように進まなかった。昨年度から予定していた国際学会への出張もかなわず、研究体制の整備は思うように進んだとはいえない。そこで資料収集が進められるようになった時を想定して、パソコンのカードソフトを使って、整理項目を設定し、資料の整理に入った。またかねてから行ってきた成城学校の関連資料の目録を整理し、公開、その整理の経緯と残された問題点を明らかにした解説を付した「留学生に関する成城学校史料目録~個人情報保護法と歴史史料」を公刊・発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続きコロナ禍により研究の予定は大幅に遅れている。特に肝心の資料収集の面で思うように動くことができなかった。コンピューターのカードソフトを利用して、ある程度多数の人材の情報を整理していくことが本来のこの研究の中心であったが、なかなかそこまで至らない状態にある。ただ、情報の整理は後から加えてくことも可能であるので、パソコン設定は行い、手元の資料で進めている。 またこれまでの研究をまとめ、成城学校の留学生関連の史料目録をまとめ発表することもできて、新たな問題点を発見したという成果もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度にひき続きコロナウィルスの影響で研究活動が大幅に制限されている。やはり資料収集と資料整理が思うように進まない。ファイルメーカーのカードソフトを使って該当留学生の動向を整理する予定であったが、この作業に必要な助手の方が、コロナの影響で研究室に来ることを渋ることが多く、なかなか基礎的な作業が進まなかった。後半はワクチンが普及してきて状況の改善が見られた。しかし作業は遅れ気味である。 発表を考えていた国際学会は様子を見ながらといった状態で、実現は不透明なところがあり、チームを組んで再度発表をすることは、難しい状況である。一応、学会があることを想定して準備はしていくが、このような不透明な状況では、複数名でチームを組んでの発表はむずかしい。また、国内でできる事として、成城学校の留学生関連の史料に関して、すでに整理した分の目録のみについての公開を成城学校側の了解をとって誌上発表に至った。ただ実際の資料の公開と利用に関しては、まだ成城側との交渉が必要で、これも時間を見つけて行っていきたい。
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Causes of Carryover |
2020年から2021年はコロナの影響があり、予定していた資料収集旅行(旅費)、国際学会出席(旅費)ができず、旅費として考えていた経費がすべて残った。また、助手を使ってやる予定であった資料整理とデータ打ち込み作業(人件費)も、コロナの影響に阻まれて進まなかった。今後は予定は遅れ気味であるが、状況を見ながら、資料収集とデータ打ち込み作業を少しでも進め、機会があれば予定していた国際学会参加も実現させたい。
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Research Products
(1 results)